君がいなくなる前に

十七 ページ19

『ここを……右？あーね、あったあった』


いや我ながら天才かよ。一回道順を教えてもらっただけでたどり着くとか本当、グーグルマップも驚きだと思う。

てか、それはどうでもいいな。早く風呂入ろう。



結構な夜更けだし、さすがに人はいないと思うけど、まあ心配っちゃ心配。
別に見られて困るような身体と言うわけでもないけど、社会的に？


念のため大浴場を覗いたが誰もいなかった。荷物を入れる籠も、どれも無人だと分かるので、おそらくここで暮らしている人たちは入浴済みなのだろう。



『広いなぁ』

大学時代は、頻繁に通ってたクラブの近くにスーパー銭湯があったから、ほぼ毎日のように銭湯に行って大きい浴槽に浸かっていたけど、社会人になってからはシャワーばっかりだった。だから久しぶりに大浴場で風呂に入れる事が嬉しかった。



髪と身体を洗っていると、やはり私は17歳だと実感させられた。

肌はハリとツヤがあるし、髪だって明るい色だ。無駄に染めたりするのに飽きを感じた頃で、放置してたからインナーカラーとその上に染めたアッシュと地毛の明るい茶色とか少し暗い色とか、なんかよくわかんない感じになっている。

懐かしいなぁ。

17歳か。

17歳か。

十八→←十六

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す