十四 ページ16
「学園長先生がそこまで仰るならば、私たちはそのお言葉を信じるのみです」
美人な先生がすっと手を挙げて発言した。そうして私をじっと見つめると、案内します、と微笑んだ。
「うむ、よろしく頼む。先生方もじゃぞ」
先生方は返事をすると、素早く立ち去った。
残されたのは、犬と学園長先生と美人な先生。
「私たちも行きましょうか」
『あっ、はい!』
美人な先生は山本シナ先生と言うらしい。
スタスタと真っ直ぐ歩く山本先生に着いて歩きながら、私は違和感を感じていた。
と言うのも、未だに慣れない17歳の身体は、身長やスタイルこそ27歳の身体と差異は殆ど無いはずなのに、サイズの小さな服を着せられたようなぎこちなさを感じた。
歩き方も、17歳の頃の方がもっと一歩が軽かった感じがする。あの時は逃げて追うことに必死だった覚えしかないけれども。
シ「こちらが天女さまのお部屋です」
『はい。ありがとうございます』
至ってシンプルな部屋だった。
シ「天女さまは明日から事務として働いて頂くことになります。事務の制服がちょうど今足りないので、普通の忍び装束になってしまうのだけれど…」
『平気です!違いも何も分からないような新人なので、お仕事を頂けるだけでありがたいです』
シ「そうですか」
『あと、もしご迷惑でなければ、敬語を使わないで貰いたいです。私は一番の下っ端なので、敬語を使われてしまうとどうにも居辛いのです』
そう言うと、山本先生はクスリと笑って「わかったわ」と言ってくれた。嬉しくてたまらなかった。
『ありがとうございます』
シ「今、寝間着と普段着を持ってくるから、荷物を降ろしてね」
『わかりました』
パタン…
閉まる襖を見つめながら、私は神経を集中させる。
天井で私を監視している気配を感じたからだ。
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まる(プロフ) - いおらんさん» ありがとうございます!コメントとても嬉しくて励みになります! (2019年8月2日 19時) (レス) id: 3f7caaff83 (このIDを非表示/違反報告)
いおらん(プロフ) - とても話が好みで楽しく読ませてもらってます(^^)更新頑張ってください! (2019年8月2日 12時) (レス) id: 60ac9a4c80 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 桜ノ夢さん» ありがとうございます!初めての作品なのでとても緊張しながら書いているのでとても嬉しいです。タイトルについてはこれからのストーリーをお楽しみにしていてください! (2018年11月18日 19時) (レス) id: 3f7caaff83 (このIDを非表示/違反報告)
桜ノ夢 - まるさん!この作品とても面白いですね!私、これ読んだ後、「ふぅ〜面白かった…な…え!?何この題名!?夢主消えるの!?」って思いましたから← (2018年11月13日 22時) (レス) id: 3556d0a5e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まる | 作成日時:2018年11月13日 21時