せっかくの夏だから1 ページ30
ザァ……ザァー
繰り返しほぼ規則的に波が打つ音がする。
「いきなり海に行こうなんて言うから、びっくりした」
夕方、いきなり委員長から連絡が来て、海へ行こうと言い出した。そんな人の多いところになぜわざわざと思ったが、委員長に限ってそんなことはなかった。
辺りは薄暗く周りには人1人いない。理由はよくわからないが、私は委員長と夜の海へ来ていた。
「せっかくの夏だから、海にでもと思っただけ」
「夏でも夜はまだ寒いから、海には入れないけど」
「それくらい知ってる」
夏といえどまだ肌寒く、海になんてとても入れない。せいぜい足をつけるくらい。
「それで、なぜこんなところに？」
「なんでもいいでしょ」
委員長はここへ来た理由を教えてはくれなさそうだ。
別にそれでも構わない。委員長がこう言う人だってことは、知っているのだから。
「ほら、君も来なよ」
「え、委員長、いつのまに」
いつもの学ラン姿の彼は、ローファーと靴下を脱ぎ、ズボンを捲って海へと足をつけていた。手を伸ばして私を呼んでいる。
「せっかく来たんだから、少しくらい」
「うん」
私もローファーと靴下を脱いで彼の元へ。伸ばされている手を取ると、力強く引き寄せられる。
「う、わっ」
「波に足元攫われないようにね」
「今まさに委員長に攫われそうになったけど」
委員長と繋いだ手はじんわりと暖かくなっていく。私よりも委員長の手の体温の方が高いのか、じわじわと私の手の温度が上がる。
「君の手、冷たくて気持ちがいい」
「それは良かった」
繰り返し波が打ち寄せる。海の水は確かに冷たいが、心地よい温度だ。砂浜が足の裏に与える感覚も、普段は感じないような触感で気持ちいい。
「楽しそうだね」
「そう？でも、海水が冷たくて気持ちいい」
「じゃあ、また来よう」
「また夜に？」
「いいや、昼に」
委員長にしては珍しい。夏の昼間の海なんて、嫌いな群れがどれほどいることか。
「今度は貸切にさせとく」
「……そうだね。委員長はそう言う人だ」
でもまぁ、彼の町だ。彼の好きにすればいい。私はそれを否定したりはしない。
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スラズ(プロフ) - 本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好きさん» 有難うございます✨✨雲雀さんをかっこよく書けていたなら、幸いです💖 (2021年12月23日 11時) (
レス) id: b12501c204 (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - 雲雀さんがかっこよすぎて辛いです😇 (2021年12月23日 8時) (レス) id: 6f7b9e6ac6 (このIDを非表示/違反報告)
スラズ(プロフ) - 智紀 りょうさん» 本当！？リボーンいいよね！！私の初恋は雲雀さんでした。中学生て……わっかいなぁ、中学生。頑張れ！！応援してる！ (2021年4月28日 17時) (レス) id: b12501c204 (このIDを非表示/違反報告)
智紀 りょう(プロフ) - 丁度作品作ってたから1人でテンションあがったよ！REBORN好きだったー！ほんとだね、だいぶ年下だ...更新まで思い出すところから頑張るね！笑 (2021年4月28日 13時) (レス) id: 890551613b (このIDを非表示/違反報告)
スラズ(プロフ) - 智紀りょうさん» 覚えてるよ！占ツクでは、友達めっちゃ少ないから(T ^ T)そうだね、私も大人になりました。イナイレの推しはもう年下、だいぶ……。入れてよかった！完結頑張って！！更新再開するなら、見に行くね！！ (2021年4月28日 1時) (レス) id: b12501c204 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スラズ
| 作成日時：2020年12月12日 21時
