１２月０７日。 ページ7
空腹を感じる頃にとても良い匂いが鼻をくすぐった。元気よく飛び跳ねる油の音が聞こえる。Aが「晩ご飯飯何ー？」と尋ねると「チキンナゲットよー」と母は答えた。
スマホの画面を見つめたままAは返事を返す。轟とのトーク画面をもう一度見直すと、ため息をついた。
付き合ってから一週間。デートに誘うのはいいものの雰囲気はトゲトゲしていたし、二人きりと言っても一緒に下校するくらいだった。よくよく考えたら恋人らしいことをほとんどしていなかったのだ。
なので、Aはひたすらネットで情報を漁る作業をしていたのだった。
(う〜ん、やっぱりデートには週一くらいのペースで誘ったほうがいいのかな……)
(て、手を繋ぐ！？ そそそんな積極的な……)
(キキキ、キスって、
など、一人で考え込んだり机に思いっきり額を擦り付けたりしていたので、時折母に心配されていた。
(……それに、一応受験生だしなぁ……轟くんはいい高校目指してるだろうから、勉強とかも山のようにあるんだろうなぁ)
そんなことを考えていると、突然スマホが震えだした。「わっ」と声を漏らしてしまったのと同時にスマホ画面に見えたのは轟からの電話の呼び出しだった。
「ちょ、ちょっと友達と電話してくる！」
急いで廊下に出る。リビングとは違いひんやりとした空気で眠気が一気に吹き飛んだような気がした。
『……えーと、聞こえてるか？』
「う、うん！ 聞こえてるよ！」
興奮気味にそう返事すると、『よかった』という轟の安心したような声が聞こえた。
『急に悪いな。暇なときは電話してみろって言われたんだ』
「全然大丈夫。そのアドバイスは……お姉さんに？」
『ああ』
「そっか……えーっと」
暫く無言になる。何を話せばいいんだ、とAは一人パニック状態に陥っていた。
すると小さく、轟が笑った。
「え、今笑った？」
『悪い。秀抹が一人パニック状態になってるのを想像したら、つい』
「なんでパニック状態になってるってわかったの！？」
ついつい大きな声で言う。
『いや、たまにあー、とかえーっと、とか何か話そうと頑張ってるような唸り声を上げてたから』
「う、唸り声て！ そんなんじゃないよ！」
『悪いって』
轟は笑いを含んだ声だった。
携帯越しなのにも拘わらず、二人実際に会って話をしているかの表情を変えて話をしていた。
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夜桜瑠奈(プロフ) - ナイトメアさん» ありがとうございます！素敵でしたか……よかったです( *´艸｀)私もこういうほのぼのした雰囲気が好きなので、そう言っていただけるととても嬉しいです！閲覧ありがとうございました！よい年を過ごしましょうね！ (2018年1月4日 20時) (
レス) id: 916f6525ff (このIDを非表示/違反報告)
ナイトメア(プロフ) - 完結お疲れ様でした！！サラッと読んだだけなので、特にコメントも何もしていませんが！とっても！素晴らしかったです！やっぱり、いいですね、こういうのは…！素敵です！！これからも頑張ってください！応援してます！！良いお年を！ (2018年1月4日 20時) (レス) id: bdeef1bdf0 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜瑠奈(プロフ) - かぁびぃ(駄作者)さん» ご愛読ありがとうございました！いつもご感想をありがとうござます！大変励みになります……！恋人らしくなっていく様子は何とか書くことが出来ましたが、やはり〆が……(笑)こちらこそ、来年もよろしくお願いいたします！m(__)m (2017年12月31日 21時) (レス) id: 916f6525ff (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - 完結お疲れ様でした！今回も非常に丁寧な仕上がりで、またぴしっと完結まで出来て本当に凄いなあと思います！どんどん恋人らしくなっていく二人に、胸がきゅんきゅんしました！素敵な作品をありがとうございます！▼そして、来年もよろしくお願いします。良いお年を！！ (2017年12月31日 21時) (携帯から) (レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜瑠奈(プロフ) - 雷光さん» すみません……！お答えしたいのは山々なんですが、少しリクエストにはお答えしにくい小説の書き方をしているので……申し訳ありませんが、お断りさせていただきます……m(__)m (2017年12月30日 22時) (レス) id: 916f6525ff (このIDを非表示/違反報告)
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