検索窓
今日:26 hit、昨日:21 hit、合計:45,559 hit

40 ページ42

「 これはっ……たとえ難いですが酷い味です」



彼女に自分で作った薬を一度でいいから飲んでみろと言われたあの日、自ら口に薬を含み彼女に飲ませたワケだが。

好き嫌いせずになんでも食べる彼女が言うだけある、悲惨な味。


彼女が薬を飲んでも男になれなくなった後も、こっそりと薬を飲ませ続けたが未だ変化はない。




「 ジェイド。あまり彼女に餌付けしないように」

「 フフッ……分かっていますよアズール。 学園に上がってから僕達と距離が近くなったのが嫌なんですよね、理解しています」

「 そんなバカげた話はしていません。 調子づかせるな……これはフロイドにも伝えておいてください」

「 はい」




海のはぐれ者。
グズでノロマだと虐められていた僕と異形だと周りから恐れられ避けられていた彼女。


幼馴染という関係は実に合理的。ただそれは、相手が興味あってこそ成り立つだけの知り合った年数をはかるものでしかない。



口元から涎を垂らして締りのない表情で眠る彼女。



ーーー 僕、アズールと同じ学校に行きたい。

ーーー 他の奴らと違って怖がらないのも距離を取らないのも餌をくれるのもアズールだけだからさ。



たったそれだけの理由で。



恋と呼ぶには窮屈であまりにも未熟で
表情に出ない者、言葉に出ない者

曖昧な境界線を引いているのは、お互い様かもしれない



「 どうしたら貴方の心が分かるようになるのか、いつまでたっても分かりませんね」



僕よりも正直者なのに。どうしてだか、掴みきれなくて。



「 なあ、痛いの怖いなら保護魔法で、」



ああ、僕が怖いと思うのは
貴方に拒絶されることですよ。



唇を重ねても、熱の篭った眼差しで見つめても
思いは当たることなく空気のようにすり抜けていく



「 お……?戻った、アズール戻った」

「 言われなくても頭に齧りつかれているんですから分かりますよ」



動揺どころか、反応の一つもありゃしない
そのくせ、



「 貴方がいつまでも喋るから口切ったじゃないですか」

「 愛情表現は痛い方がいいって言うだろ」

「 これが愛情表現なら最悪ですね」

「 アズールぐらいにしかやらねぇからなあ」




そうやってまた、期待させる

自覚してしまえばしまうほど、彼女は残酷だ。

41→←39



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (152 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
153人がお気に入り
設定タグ:ツイステ , not監督生 , アズール・アーシェングロット   
作品ジャンル:ギャグ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 蒼井とーるさん» はじめまして、コメントありがとうございます!夢主イラスト可愛いと言って頂けて嬉しいです( *´꒳`*)ゆっくりではありますが更新頑張ります!ありがとうございます! (2021年12月1日 18時) (レス) id: 1c0863e534 (このIDを非表示/違反報告)
蒼井とーる(プロフ) - 夢主イラスト、とてもかわよくて推せます!性格も最高に面白くて大好きです!頑張ってください! (2021年12月1日 4時) (レス) @page5 id: f4c569577f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年11月29日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。