scene 3ー3 ページ9
それぞれ、どうなっているのかと頭の中を整理していると、左京さんが話を切り出した。
「あぁ、ここで黙っててもなんにも解決しねぇからとりあえず今日は休むぞ」
「そうですね」
この少しの時間悩んだ結果今日は寝るという結果や、賛同した丞さんに、俺は苛立った様な声で問いかけた。
「それでいいのかよ」
「なにも出来ねぇんだ!しょうがねえだろ!お前も早く寝ろ!」
左京さんの何処にもぶつけられない怒りと勢いに負け、俺の口からは「…分かった」という言葉しか出てこなかった。「おやすみ丞さん」と言い残し、俺らは談話室を出た。
こうして俺らのプチ会議は精神的に疲れていた左京さんの一言でなんにも解決せずにお開きとなった。
最後まで談話室に残り「あぁ、おやすみ」と返してくれた丞さんが少し悔しそうな顔をしていた。
俺もだが、左京さんならば解決案を出してくれると期待していたのだろう。
左京さんを呼び止めてもう一度考えようと言おうとしたが、小言を言われるのはごめんだと思い、静かに自分の部屋に戻った。
部屋に入る寸前、左京さんは「さっきは済まなかった」と謝り部屋に入っていった。
その時の顔は、今までに見たことも無いような色々な感情が入り混じった顔だった。
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作者名:ルクリア | 作成日時:2019年5月16日 15時