scene 7−1 ページ15
3月20日(日) 2:25 in談話室
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《丞side 》
皇と向坂と御影が晩ご飯までに帰ってこないまま、5時間が経った。
3人の行方が分かりそうな人は、それぞれ捜索に出ていて、さっき兵頭兄弟が帰ってきた。
「椋は存在しない事になってた。」
そう十座が言った直後隣で何かが落ちた音がした。
俺はやっぱりそうかと思っていたが、三好には衝撃が強かったのだろう、さっきの音は、持っていたグラスが手から滑り落ちたのだ。
そして、ふらふらした足取りで佐久間に支えられながら、自分の部屋に戻って行った。
グラスに入っていた飲み物の片付けをする俺たちに鼻声で「ごめん」と言い残して。
飲み物を片付け終わった後、十座が「三角さんがいるから大丈夫だろうけど、九門の様子を見に行く」と言って談話室を出て行った。
今日は土曜だから、学校には確認出来なかったが、天馬の事務所に確認しても存在しない事になっていたし、昨日のロケは別の俳優がやっていたことになっていた。
皇夫婦にも子供は居るが娘であることが分かった。
失踪した仲間達の報告を聞いたのは5回目だが、未だに何が起こっているのかはさっぱり分からない。
早く全員が帰ってきて、解決してくれと願うばかりだった…
最近はこうやって一人で考え込むことが多いのも、長い間一緒に居た幼馴染が不在だからだろう。
.
《丞side続き》
普段とは何か違う深夜の静かな寮の中では声がよく響く。
いつもの104号室の騒がしい声が止んだと思ったら、千景さんが無事に帰ってきたのだろうか、三好を部屋に送り届けた佐久間の安心した「千景さん、おかえりなさい」という声が聞こえてきた。
しばらくすると、千景さんが1人で談話室に入って来た。
「ただいま」
「おかえりなさい…御影はどうでした?」
「駄目だった。全然足取りが掴めない」
普段と何一つ変わらない調子で言葉を発していたように見えたが、いつもより少し髪が乱れてるし、一刻も早く部屋に戻って調べたいという気持ちが伝わって来る。
大切な家族の一大事には普段のポーカーフェイスも効かないようだった。
卯木が水分補給をしようと台所に向かったその瞬間、卯木と俺のスマホに通知が届いた。
そして、談話室に近い人から順に全員ではなかったが、談話室に集まってきた。
その通知は、太一からのLIMEだった
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作者名:ルクリア | 作成日時:2019年5月16日 15時