急転直下*2 ページ33
「主語がないんですよ主語が!」
零先輩からの説明で納得できたけど、それでも手紙の内容には解せないものがある。
「最後にハートマークを付けてみたのですがどうも伝わらなかったようですね。一生の不覚です!!」
てっきり脅迫状だと思い込んでいたから、あのハートは逆に恐怖を煽る存在でした。メンヘラ的なね。
因みに手紙の真相はこうだ。
『(何者かが)あなたの命を狙っています』
……わかるかい!!
解せない顔をしていると、深海先輩が俺に近づいて。
「A、わたるを『ゆるして』あげてください。ぼくは……いいえ、ぼくたちはAが心配だっただけなんです」
祈るような瞳を向けてくる。……むむ。反論できない。
危険な目にあったのは本当だし。しかも助けて貰っちゃったし。頭ごなしに怒るのは少し可哀想かも。
「……次からは、主語、お願いします」
顔を背けながら、そう言えば。
「ええ、勿論!同じ過ちはおかしませんとも!」
大船に乗った気で、と返され、あっなんか面倒くさい、とちょびっと引いた。
「まあ謎は解決しましたし、この際なんでもいいですよ。きっと最近感じてた視線もあの人たちだろうし……」
「あっその視線は多分私のハトです!」
「私のハトです?!」
どうしてあんたのハトにストーカーされてんの?!脅迫状の件もそうだけど、もしかして……。
「全部日々樹先輩の差し金じゃないでしょうね! あの変な二人組も、俺を驚かすために……?!」
有り得る。存分に有り得るぞ!
だって相手はあの日々樹渉だ。何をしでかしてもおかしくはない!
そんなことを考えていると。日々樹先輩と零先輩、そして深海先輩がお互いに目を合わせて。それから数秒……ふはっ、と吹き出した。
「残念じゃったのう、日々樹くん。バレバレらしいぞい」
「おとなさく『はくじゃう』したほうが『みのため』です」
「いやぁ、Aくんの観察眼には参りました!実を言うと、あの二人は演劇部の方々でして」
「演劇部?」
「ええ。近いうちにサスペンスの劇を予定しているのですが、どうもその練習に熱が入りすぎてしまった様です。彼らはイタコ役者……つまり憑依型でして、クレイジーな犯人に影響されてしまっているのです!」
ででん!と効果音付きで最悪なことを報告された。
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yukki(プロフ) - 続けてくださって嬉しい限りです!これからも応援しながら作者様の作品を読ませていただきます!! (2020年1月11日 23時) (レス) id: c7ca82405e (このIDを非表示/違反報告)
すみぃ(プロフ) - 続けて下さってほんとに嬉しいです!!pixivあんまり詳しくなくて作者様の作品見れるか不安なんですけど勉強します!!これからも影ながら応援しております!頑張ってください! (2020年1月11日 19時) (レス) id: f77c46eafb (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - 作者様の書き方がとても好きですし、凄く読みやすいと感じています。なので、占いツクールでの活動を続けるという決断をなされた事が、凄く嬉しいです。最後になりましたが、更新、楽しみにしながら気長に待ってます。 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - こんにちは。突然ですが、コメント失礼します。占いツクールでの作品の書き方ですが、台本書きでは無い他の作者様も大勢いますし、現に私も台本書きはしていません。書き方は作者様の自由なので、台本書きでも、台本書きじゃなくても、どちらでもいいと思います。私は、 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
Tatutatu(プロフ) - この作品とても好きです!続ける決断をなさってくれてとても嬉しいです……! (2020年1月11日 10時) (レス) id: b586c3b914 (このIDを非表示/違反報告)
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