8人目の東大専科 【ドラゴン桜】

26:あたしには無理？ ページ42

ｰAsideｰ


あんな奴に心を折られるなんて思いもしなかった。



ノートはセロハンテープで何とか全部貼り繋げて、一応修復はした。



まぁ、「セロハンテープ使いすぎ」ってお母さんに怒られちゃったけど。







破れていた箇所は全部小説を書いていた場所だった。




幸いな事に破られたノートは1冊だけで済んだ。








だけど、やっぱり深い傷心を負ってしまった。




これでもし…全部のノートを破られていたら、あたしは今頃、どうなっていたのだろう…




怒りよりも悲しみがこもった。




だけど、涙は流れなかった。





ショックを通り越して泣けなかったのだろう。




それとも、泣くのなんて情けないからか。





修復したノートを見て、落ち込む。




直った筈なのに、なんでこんな傷負っているんだろう







そうだ、この前の騎士の話…続き書かなきゃ！




そう思ってシャーペンを走らせようとする。






しかし…





嘘…全然書けない…




書いては消して、書いては消してを繰り返す。





あぁ、消しゴム勿体無いのに…！←そこかい




ダメだ、続きが書けない…





今までこんな事なかったのに。





違う、あんな奴に負けてたまるか！たかがノート破られたくらいで負けるもんか！




ノートなんてテープで貼り直せば直る話！





落ち込むなんてあたしらしくないじゃない！





どうしたのあたし！今まで何言われても負けてこなかったのに！






あんな奴に負けたままなんか絶対に嫌！嫌だ！





藤井に何言われてもノーダメージ…だから！





しかし、必死に心の中でそう訴えても、続きが全く書けなかった。





『ダメだ…書けない…』





ついにはシャーペンを落とし、ノートを鞄の中に入れた。





あたしはもう、ここで負けるの？





そう思ったその時だった。




桜木「シャーペン、落ちてたぞ」





桜木先生の声が聞こえた。

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