21:あの日以降 ページ34
-Aside-
あれから、東大専科の教室には一度も行ってない。
だって、あたしが専科の日までって決めていたから。
って、今日5時からタイムセールじゃん。
やばい。早くしないとお買得品買えなくなる。
あたしは猛ダッシュでスーパーに向かう。
あたしの家はめちゃくちゃ貧乏…というわけではない。
一見すると普通の家庭に見える。
だけど、お母さんが精一杯働いて、ギリギリ普通の家庭を保っている。
え？バイトしないのって？
したいのは山々だけど、あたしの学校はバイト禁止だからね。
もしこっそりやって、バレて、最悪退学とかになったら大変だからね。
高校は卒業して欲しいって言われてるし。
ええっと、何買うんっだっけ
鶏むね肉にもやし、えのきとちくわと厚揚げ、豆苗…
コスパのいい食材ばかり。なんとか全部買え、レジに並ぶ。
渡された財布を用意し、あたしはため息をつく。
あーあ。これが自分のお金で、自分で自由に使えたらな。
あたしの月々のお小遣い、2000円ですよ？
周りの高校生はあたしの2〜３倍はお小遣い貰っているのに。
それで今月金欠とか言われると、浪費家かと思ってしまう。
はぁ、昔の生活がどれほどありがたかったか、今になって身に染みるわ。
え？このダイヤのペンダント？
売ったら生活は少しでも楽になるんじゃないかって？
…たしかにね。何度もそう思ったよ。
でも、これすっごい大切なものだから、簡単には売れないの。
ずっと大切にするって、言っちゃったし。
「お会計870円になります。」
おっと、家庭の事考えていたらもうお会計する時になった。
『あ、じゃあこれ丁度です。』
870円を丁度ぴったり出す。
そして商品を受け取り、あたしは商品をエコバッグに入れて、家に帰った。
こうでもしないと普通の生活は出来なくなる。
まだ小さい遥にも沢山我慢させてるし。
だから、大学には行けない。お金の余裕なんてないから。
今更変えられない運命、あたしの未来、もう決まっている。
あたしの人生、大学とは無縁だから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 303人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Maple(プロフ) - 楓さん» ありがとうございます！続き書いてるのでもうしばらくお待ちください！ (2021年7月4日 15時) (
レス) id: d94946fdf8 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - おもしろかったです！続きが見たい！ (2021年7月3日 19時) (レス) id: e4fc2ccbe9 (このIDを非表示/違反報告)
Maple(プロフ) - 朧さん» あ、わざわざご指摘ありがとうございます！すぐに訂正します！あと、面白いって言ってくれて嬉しいです！ (2021年6月23日 6時) (レス) id: d94946fdf8 (このIDを非表示/違反報告)
朧(プロフ) - すごく面白いです！更新待ってます！あと、イングリッシュのスペルはEnglishだと思いますよ…。わざとだったらすみません (2021年6月22日 21時) (レス) id: 66c68389cd (このIDを非表示/違反報告)
Maple(プロフ) - Yuzuさん» 体調のご心配ありがとうございます。面白いと言ってくれて本当に嬉しいです！ (2021年6月18日 6時) (レス) id: d94946fdf8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Maple | 作成日時：2021年6月15日 19時
