男装パンダは恋を忘れられない【沖田総悟】3

104、幽霊の正体見破ったり？ ページ6

『ぎゃああぁぁぁあ！！！！で、出ましたああぁぁぁああ！！』

突然無線機から聞こえた悲鳴に思いっきり肩を跳ねさせた。
この声は、山崎かっ！
襖を開けて山崎が張り込んでいたポイントへと駆け出す。
さっさと倒して独り寝を満喫してやるっ！！！

『おい山崎！！いたのか？！！返事しろ！！』
「こちら松平！向かっておりますどうぞ！」
『加藤ッス！！幽霊俺の方に来てるッスよ！！』
『本当足速ぇ奴だな加藤さっさと斬り伏せちまえ！』
『ええぇ？！』

いや斬っちゃダメだろうが？！
取り敢えず山崎から加藤の方に行ったという事は…。

「パンダこっちですぜ」

ぐっと腕を引かれて走っていた足を止めた。
隊長が見ている先に。

「い、いたあぁぁっ」

思わず隊長の腕にしがみついて刀を抜いた。
白装束の何かがすごい速さでこっち向かってきてるっ？！

「さすがに斬るのはまずいだろうが」
「で、でも超速いよ！！？ なんだよあれ？！」
「……ま、役得だしいいけど。おーい、幽霊さーん」

後ろ危ないぜ、という隊長の声とともに幽霊は良い音とともに崩れ落ちた。

……え？

「うっし、隊長からバズーカ借りてて良かったッス」
「さすがカトー。もう使いこなしてやがらァ」
「……え？」

…幽霊騒動は加藤のバズーカによって終息したらしい。
えええぇ……。
行き場がなくなった刀が妙に軽く感じた。








「へへへ、すみません。俺、人の恐怖に歪む顔を見るのが大好物でして…」

木に吊るされながらそう言った女…ではなく男はその長い髪を揺らしてにひひと笑みを浮かべた。
その顔が気持ち悪くて思わず後ずさりする。

「…特に男の叫び声と顔がねぇ、大好きなんですよ。ここ、いいですよねぇ…。ガタイいいのが多いのに」
「…斬っていいか」
「ダメですよ副長！！」

山崎が必死に副長を止めているが、私は止めなくていいと思う斬ってしまえ。

…………こんな奴に恐怖してたのか？私。

「……あー、馬鹿馬鹿しい。さっさとしょっぴけ山崎」
「俺ですかぁ？！？」
「俺はもう寝る」

副長クマすごいもんな……。
本当お疲れ様です、副長。

「じゃ、パンダ部屋に戻りやしょう。俺も眠ぃ……ふぁぁあ……」

でかい欠伸をしながら去っていく隊長の後をついていく。
後ろから山崎と加藤の声が聞こえてくるが、すまない二人とも。
私もここ最近眠れていないから、超眠いんだ。

あー、ようやくひとり寝が満喫出来る……。

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