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エ「逞しくなったな」
エルヴィンは机上で手を組み合わせ、優しく目を細めた。
あたしには、温かく見守る義兄の言葉に聞こえた。
「エルヴィンが･･･ここにいていいって認めてくれたからだよ。感謝してる」
エ「なんだ改めて」
「あのとき拒否されてたら、今のあたしはいないから」
エ「それを言うなら、私こそ礼を言わねばならない。ここへ戻る決心、お前とマルレーンがマーレから来た人間だと話す決心をしてくれたことにな」
エルヴィン･･･
「今もお姉ちゃんを想ってくれるエルヴィンを誇りに思ってる。団長として尊敬してる気持ち以上に」
お姉ちゃんは、この島でどれだけの人と出会っただろう。
病院にいた時間があまりに長くて、出会えた人の数はきっと、ほんの、ひと握りだった。
何人の記憶の中に、お姉ちゃんは生きているのか･･･
そんな風に考えたことがある。
でも、エルヴィンが今でも愛してくれているのなら、それだけでいい。
お姉ちゃんはそう言いそうな気がした。
エ「言葉を返してばかりになるが･･･A、お前こそ私の誇りだ。お前の強い心はマーレにいた頃にすでにあったはずだ。でなければここに来ることなどなかっただろう」
「エルヴィン･･･」
エ「それに･･･お前はマルレーンが本当に私の隣にいたことを証明する唯一の存在･･･最近はそんな風に思うことがある」
え･･･
エルヴィン･･･？
エ「マルレーンとの日々は夢のような出来事だったと思うたび、あれは自分が創り出した妄想だったのではと、急にむなしくなる時があってな」
夢のような･･･出来事･･･
兵士たちに心臓を捧げよと命じ続け、彼らが自分を信じて散りゆく戦闘を繰り返す日々が、そうさせてしまうの････？
初めて聞く、エルヴィンの辛い思い･･･
誰にも
でも、忘れないで･･･
忘れないでよ･･･お姉ちゃんのこと･･･
あたしは、エルヴィンの机に粗雑に積み上げられた紙の1枚を引っこ抜いた。
「これ、あたしにくれる？それと、ペン、貸して」
エ「あ･･あぁ、構わないが･･･」
エルヴィンは突然のあたしの行動に驚きながら答えた。
あたしは手にした紙に、ペンで文字を書いた。
「はい。証明書」
エ「証明････？」
エルヴィンはいぶかしがりながら、その文字を黙読する。
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ico(プロフ) - カレンさん» 嬉しいご感想ありがとうございます！励みを頂き力が湧きます！頑張ります！ (2018年6月20日 15時) (
レス) id: ba96530b2c (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - とっても面白いです！これからも頑張って下さい！ (2018年6月17日 23時) (レス) id: 5dabf5f2d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ico | 作成日時：2018年6月9日 14時
