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団長室は一番日当たりが良く、明るい朝日が窓から差し込んでいた。

今日が天候に恵まれたことは幸運だ。




エ「・・・そうか。念頭に入れておこう」



リヴァイに指示されたとおり、あたしは昨晩ライナーとベルトルトが見当たらなかった事を、エルヴィンに報告した。



エ「A、くれぐれも気を抜くな。エレンを、そしてリヴァイたちを生かすも殺すも、我々の出す合図にかかっている」



エルヴィンがいつにもまして真剣な表情で、団長としての顔で言う。



「はい」



あたしも、部下として返事を返して気を引き締める。





ふと、椅子に深く腰かけているエルヴィンの前の作業机に目を落とすと、今日の陣形が書かれた図が広げられていた。

あたしはサッと自分の位置を確認する。




エルヴィンやハンジ達の近く・・・そしてリヴァイの位置よりも前・・・


今まであたしはどんな時も、リヴァイの後ろを追いかけていた。


あたしがリヴァイよりも前にいることなんてなかった。





そんな些細なことでさえ、壁外の前だと気持ちを揺らすには充分な理由になる。



エ「A」



陣形図に目を落としたままのあたしにエルヴィンが声をかけた。

あたしは視線をエルヴィンに向けることで、返事を省略した。



エ「今更言うことでもないが・・・敵はいつも我々の想像を超えてくる。今回も例外ではないだろう。敵を捕まえることも目的ではあるが、我々はエレンを失うことがあってはならない・・・それを決して忘れないでくれ」

「ん・・・わかってる」

エ「例え、どんな犠牲が出てもだ・・・」



どんな犠牲が出ても・・・



それは、エレンを守ろうとする任務についている誰の死があろうとも・・・

そういう意味・・・?



エルヴィンの瞳に現れている苦渋(くじゅう)の色が、リヴァイのことを含めていると示していた。

ううん・・・

リヴァイだけじゃない・・・

『私』もだ・・・





「兵士である以上、覚悟は必要だよね。ここで起きる全てのことを受け入れるって・・・約束したもんね」





あたしは、ここでリヴァイから強さを学んだ。

信じることの意味も、自ら命を絶つことのおそろしさも、自分の中の潜在的な力も・・・






大丈夫・・・

どんな状況になっても、彼には生き抜く強さがある。

そして彼はあたしにも、生き抜く強さを教えてくれた。





リヴァイを、自分を、信じてる。






*

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ico(プロフ) - カレンさん» 嬉しいご感想ありがとうございます!励みを頂き力が湧きます!頑張ります! (2018年6月20日 15時) (レス) id: ba96530b2c (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - とっても面白いです!これからも頑張って下さい! (2018年6月17日 23時) (レス) id: 5dabf5f2d3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ico | 作成日時:2018年6月9日 14時

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