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*
ｽｯ･････
ふいにリヴァイの手が、あたしの髪に触れた。
あたしは宙を見つめていた視線をリヴァイに向けて、彼の顔にピントを合わせた。
リ「まだ髪が乾いてねぇ。戻るぞ」
「･･････あと･･･少しだけ･･･」
ﾋｭｳｳｩｩｩ･･･
夜風の冷たさが、熱くなった目頭をひんやりと撫でていく。
リ「ハァッ、仕方ねぇな･･･」
ｸﾞｲｯ
隣で大きなため息をついたリヴァイが、強引にあたしからストールを奪った。
「･･･ﾂ･･？」
そしてあたしの後ろに立ち、自分の背中から布を覆ってあたしごと包み込んだ。
リヴァイのぬくもりが背中にじかに感じられる。
あごのすぐ下には、あたしを抱きすくめるリヴァイの両腕。
リ「さっき見てたのはどの星だ」
頭の上のほうから、リヴァイの声が聞こえる。
「どの星でもない･･･ここから見えるどれかが応えてくれれば･･･って、いつも」
リ「応えるのか」
「応えるよ。声がきこえてくる」
後ろで、リヴァイがあたしの言葉に明らかに戸惑ってる気配がわかる。
こうしてくっついてるからだろうか。
「無理にわかろうとしなくていいよ。リヴァイには･･･」
リ「なんだ。聞こえないとでも言いたいのか」
「･･･似合わないから」
リ「テメェ･･･」
リヴァイの両腕がそれまでより強くあたしを抱きしめた。
「いたたた････ごめんごめん」
あたしはリヴァイの腕の中で小さくもがきながら、くるりと後ろ向きになった。
リヴァイの胸に、頬と耳を寄せる。
ﾄｸﾝ。
ﾄｸﾝ･･･ﾄｸﾝ･･･ﾄｸﾝ･･･
リヴァイの厚い胸の中から、世界で一番大切な音がする。
この音を、ずっと聞いていたい。
この音のために、生きていたい。
ﾎﾟﾝ･･･
リヴァイの片手が、あたしの頭に乗せられる。
リ「今日のように1人になりたい時は、そう言え」
リヴァイ･･･
リ「安心して1人になれるようにオレが見張っててやる」
「え･･･見張られてるの･･･それ微妙」
リ「仕方ねぇだろ、お前には護衛が必要だからな」
「･･･ありがと。でも、さっきわかった。1人よりリヴァイといる方がいいって」
いつの間にか･･･
さっきまでの自分への深い嫌悪、あの森から止まっていた時間、それらが巨大な砂時計の中でゆっくりと、さらさらと、細くこぼれ落ちていくように･･･肩の力が抜けていた。
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ico(プロフ) - カレンさん» 嬉しいご感想ありがとうございます！励みを頂き力が湧きます！頑張ります！ (2018年6月20日 15時) (
レス) id: ba96530b2c (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - とっても面白いです！これからも頑張って下さい！ (2018年6月17日 23時) (レス) id: 5dabf5f2d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ico | 作成日時：2018年6月9日 14時
