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……SIDE IS ハンジ……
ハ「んぇっ?女型の中身がっ!?」
エ「シッ!!」
あ・・っと。
エルヴィンが後ろを気にして、声を抑えろと私を制す。
チラと視線を後ろに投げるとAが不安そうに馬を走らせている。
エ「さっき彼女にも言いかけたがキミが遮ってくれたお陰で言わずに済んだ」
確かに・・・『女型が生きてる』なんてAが聞いたらリヴァイのところへ行かせろと言うに違いない。
今おかれてる状況じゃ、それはかなり危険だ。
パカラッ、パカラッ、パカラッ・・・
エルヴィンは私の馬と併走しながら、その真相を話し出した。
エ「トロスト区の戦闘を思い出した。超大型巨人が消えた時、その中身を誰も見ていないのは、中身が立体機動装置をあらかじめ装備していたからではないかとキミが言っていたことも、さっき思い出した」
ハ「そんなこと言ったような、言ってないような」
エ「キミは確かにそう言っていた。蒸気にまぎれて素早く逃げることができた、とも」
ハ「でもそれって、エレンが巨人化した時の状況には当てはまらなくて、我々はその考えを放棄したんじゃなかった?」
エ「ちゃんと覚えてるじゃないか。だが・・・女型の巨人のさっきの能力、キミは予想できたか?」
ハ「いや・・・」
悔しいけど、私の研究資料じゃ知性のある巨人のことなんて何1つ分かりはしないし、参考になりそうなものすらない。
硬化させる能力、そして巨人を引き寄せる能力・・・そんなの、予想なんてできなかった。
エ「我々はあの能力を予想できず作戦は失敗した。あの敵を出し抜くためには、発想を飛躍させる必要がある」
ハ「おっしゃる通りだよ」
エ「『巨人の力』に練度があるとしたら」
ハ「練度・・・」
そうか。エレンは巨人化の能力に目覚めてから間もない。
しかしあの女型や超大型たちは、その能力を意のままに使いこなせるほど巨人歴とでもいうのか、それが長い可能性がある、と・・・
エルヴィンはそう言いたい訳か。
ハ「エレンは巨人初心者ってことだね」
エ「あぁ、我々が初心者であるエレンに基準を合わせていたことは間違いだった」
ハ「じゃあ・・・」
エ「そうだ、キミの推論通り敵が蒸気にまぎれて女型の体を脱出し、立体機動装置とマントを身に
ハ「もう一度エレンを奪いに現れる」
エ「・・そうだ」
エルヴィンは前を向いたまま答えた。
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ico(プロフ) - カレンさん» 嬉しいご感想ありがとうございます!励みを頂き力が湧きます!頑張ります! (2018年6月20日 15時) (レス) id: ba96530b2c (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - とっても面白いです!これからも頑張って下さい! (2018年6月17日 23時) (レス) id: 5dabf5f2d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ico | 作成日時:2018年6月9日 14時