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ミ「ジャンに『誰しもお前みたいにエレンのために無償で死ねるわけじゃない』と言われました。ジャンは、エレンに見返りを求めている･･･」
「見返り･･･か」
ミ「『おれたちはマルコのようにエレンが知らない内に死ぬんだろうな』とも、言ってました」
「そっか･････マルコをトロスト区の戦闘で失ったんだったよね･･･。マルコの事は、ジャンの中で相当深く刻まれた出来事だったんだろうね」
ミ「ええ。『きっちり値踏みさせてもらう、おれたちの命に見合うのかどうか』･･･エレンに、そう言ってました。彼は現実主義者だから、そう言いたくなるのもわかる気はします」
「ミカサ･･･」
ミ「でも、あのトロスト区の戦闘で･･･私も一度エレンを失った」
そうだった･･･
エレンは一度、巨人の胃の中におさまったんだった。
エレンがそのあと巨人になって蘇るなど、誰が想像できただろう。
ミ「彼を失って、私はもうこの命は必要ないと思いました。体の力が抜けて、そのとき
ミカサはグラスを見つめて、トロスト区のあの日を思い出しているようだった。
あたしはそんな彼女を見つめ、彼女の言葉を待った。
ミ「だけど･･･」
いつもと変わらない、落ち着いたトーンの声で、ミカサは続けた。
ミ「過去にエレンが教えてくれたことを、私は忘れてませんでした」
「エレンが教えてくれたこと？」
ミ「はい･･･『戦え』と。大切なものを守り、勝者を名乗ることができるのは、戦う者だけだと。私はその言葉に突き動かされ、気づくとナイフを手にして構えていました」
トロスト区での悲劇は、彼らに様々な経験をもたらしていた･･･
ジャンをはじめ、ミカサも、こんな風に弱い自分、新しい自分と向き合っていた･･･
ミ「Aさん」
ミカサがあたしをまっすぐにとらえる。
ミ「エレンに危険が及んだら、本当にリヴァイ兵長が守ってくれますか」
静かで切実な、祈りのこもった問い。
エレンのこと、本当に心配なんだね･･･
「うん。リヴァイがそう断言してた」
あたしも、同じだよ。
リヴァイのことが、心配･･･
ミ「･･･エレンは、私の家族で」
「うん」
ミ「･･･私の帰る場所そのものです」
ミカサ･･･
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ico(プロフ) - カレンさん» 嬉しいご感想ありがとうございます！励みを頂き力が湧きます！頑張ります！ (2018年6月20日 15時) (
レス) id: ba96530b2c (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - とっても面白いです！これからも頑張って下さい！ (2018年6月17日 23時) (レス) id: 5dabf5f2d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ico | 作成日時：2018年6月9日 14時
