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*



コト・・・

グラスをテーブルに置いて、あたしはシャワー後の火照(ほて)った肌をガランとした食堂のテーブルで落ち着かせた。


「フゥ・・」


昼間、皆とここでトランプをした時間を思い出す。

ハンジがあれを提案してくれて良かった。



ハ『新兵たちはトロスト区ですでに巨人に対する免疫はついたものの、今度は壁外デビューだ。緊張しないほうが変だよ。ここは1つリラックスタイムが要るだろ♪ そこで・・・じゃんっ』



そう言って、ハンジが出したのはトランプだった。



ハ『時間があるならAもおいでよ』



そう言われて行ってみて正解だった。

みんなの楽しそうな顔が、声が、嬉しかった。

大切な被験体を失ったハンジ自身も少しは気を晴らせたかな。





・・・ライナーたちは来なかった。

でもそれで良かったのかもしれない。



『もしかしたら命を狙われるかもしれない相手』を前にして、知らん顔でどこまで平静を保てるのか、実のところわからなかった。



コクン、コクン、コクン・・・

「はぁ・・・っ」



グラスに入れた水を飲み干して、あたしは大きく息をついた。



明日はリヴァイと別々か・・・

って、また考えてしまう。

テーブルに突っ伏して、呆れ笑いを浮かべる。




ミ「こんばんは」


薄暗い空間に静かな声がして、テーブルから顔を上げると


「ミカサ・・・」

ミ「私も水を頂きに」


ミカサが食堂へ入ってくるところだった。


ミ「ハンジ分隊長は面白い方ですね」

「そうだね。色んなことに対する許容範囲が広いというか・・・ぶっ飛んでるけど(ふところ)が深くて、頼りたくなっちゃうから不思議」

ミ「巨人とどれだけ接近しても恐怖を感じない人は初めてです」

「そういう意味でも許容範囲、広いよね」


そう言ってミカサに笑いかけると、彼女も少し微笑んだ。


「皆は何か変わったことはない?」


あたしは、それとなく『敵』の動きを探ろうと聞いてみた。


ミ「変わった、というと・・・?」


ミカサはあたしの質問の意図が汲み取れない、といった表情で聞き返した。


「んー例えば、調査兵団に入ってどんな心境なのかなぁ、とか」


差しさわりのない言葉で、ミカサの思考を促す。


ミ「この間、勧誘式のあと、移動中だったエレンと私たち新兵のメンバーが偶然会って・・・その時ちょっとだけエレンと話したんですが」

「うんうん」



これは初耳。

あたしは興味津々な目をミカサに向けた。




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ico(プロフ) - カレンさん» 嬉しいご感想ありがとうございます!励みを頂き力が湧きます!頑張ります! (2018年6月20日 15時) (レス) id: ba96530b2c (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - とっても面白いです!これからも頑張って下さい! (2018年6月17日 23時) (レス) id: 5dabf5f2d3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ico | 作成日時:2018年6月9日 14時

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