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コト・・・
グラスをテーブルに置いて、あたしはシャワー後の
「フゥ・・」
昼間、皆とここでトランプをした時間を思い出す。
ハンジがあれを提案してくれて良かった。
ハ『新兵たちはトロスト区ですでに巨人に対する免疫はついたものの、今度は壁外デビューだ。緊張しないほうが変だよ。ここは1つリラックスタイムが要るだろ♪ そこで・・・じゃんっ』
そう言って、ハンジが出したのはトランプだった。
ハ『時間があるならAもおいでよ』
そう言われて行ってみて正解だった。
みんなの楽しそうな顔が、声が、嬉しかった。
大切な被験体を失ったハンジ自身も少しは気を晴らせたかな。
・・・ライナーたちは来なかった。
でもそれで良かったのかもしれない。
『もしかしたら命を狙われるかもしれない相手』を前にして、知らん顔でどこまで平静を保てるのか、実のところわからなかった。
コクン、コクン、コクン・・・
「はぁ・・・っ」
グラスに入れた水を飲み干して、あたしは大きく息をついた。
明日はリヴァイと別々か・・・
って、また考えてしまう。
テーブルに突っ伏して、呆れ笑いを浮かべる。
ミ「こんばんは」
薄暗い空間に静かな声がして、テーブルから顔を上げると
「ミカサ・・・」
ミ「私も水を頂きに」
ミカサが食堂へ入ってくるところだった。
ミ「ハンジ分隊長は面白い方ですね」
「そうだね。色んなことに対する許容範囲が広いというか・・・ぶっ飛んでるけど
ミ「巨人とどれだけ接近しても恐怖を感じない人は初めてです」
「そういう意味でも許容範囲、広いよね」
そう言ってミカサに笑いかけると、彼女も少し微笑んだ。
「皆は何か変わったことはない?」
あたしは、それとなく『敵』の動きを探ろうと聞いてみた。
ミ「変わった、というと・・・?」
ミカサはあたしの質問の意図が汲み取れない、といった表情で聞き返した。
「んー例えば、調査兵団に入ってどんな心境なのかなぁ、とか」
差しさわりのない言葉で、ミカサの思考を促す。
ミ「この間、勧誘式のあと、移動中だったエレンと私たち新兵のメンバーが偶然会って・・・その時ちょっとだけエレンと話したんですが」
「うんうん」
これは初耳。
あたしは興味津々な目をミカサに向けた。
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ico(プロフ) - カレンさん» 嬉しいご感想ありがとうございます!励みを頂き力が湧きます!頑張ります! (2018年6月20日 15時) (レス) id: ba96530b2c (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - とっても面白いです!これからも頑張って下さい! (2018年6月17日 23時) (レス) id: 5dabf5f2d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ico | 作成日時:2018年6月9日 14時