【BL】【仮面ライダー】冗談も程々にしろ！【短編集】

深入りはコーヒーの味(凌×貴、若干の貴×凌) ページ5

午前6:30を知らす目覚まし時計を凌馬は止める。

徹夜明けくらい寝させてくれないかな

そうボヤいてううんと欠伸をする。
眠たい目を擦りながら、洗面所へ行き水を顔に流していく。
程よい冷たさを保つ水が、よく目を覚ます。

まだ眠いしもうちょっと寝るか

そう独り言を言うと、背後から低く心地のよい声の主…貴虎から声をかけられる。
「もう寝るのはやめておけ」

凌馬と貴虎は少し目を合わせると、クスっと笑った。
「おはよう、凌馬」
「おはよう貴虎。けど僕は徹夜明けだし、寝るよ…」
踵を返す凌馬の腕を貴虎は掴んだ。
何、と聞く前に抱き締められた。
耳の辺りで囁かれる。
「寝させないからな」
「へ、ぁっ＿＿！？」
凌馬は一気に熱が上がり、息が荒くなる。
その様子を見て貴虎は凌馬の肩を揺さぶる。
「きゅ、急に熱…！？大丈夫か、凌馬…！」
そして、貴虎は再度凌馬に顔を近付けて額を当てて熱を確かめた。
そのせいで、凌馬は更に熱が上がり、顔が赤くなる。
「た、たか…ぁっ」
貴虎はまだ心配する。
「どんどん高くなっている…これは危険ではないか…？」
フラフラな凌馬は遂に貴虎を求めてしまう。
唇を重ね、深さを求める。
貴虎は反応が遅くされるがままとなってしまった。
凌馬の舌が中へ侵入していく。
苦しそうな吐息と飲み込むことのできない唾液が二人を伝って床へ落ちる。
凌馬は微かなコーヒーの苦味を含んだ香りを感じた。
今日は貴虎、コーヒー飲んだんだ
そんなどうでもいいようなことでも、知ると何だか嬉しくなる。
目が次第に覚めていく。
お互い満足しあい、唇を離す。
「っふぅ…美味しかった」
貴虎は動揺を隠せない。
「朝からよくこんなことするな…」
凌馬は少し言い返す。
「貴虎があんなこと耳許でいうからではないか…お陰で目は覚めたが…っ」
貴虎の鈍感タイム、スタート。
「…？あんなこと、とは何だ？」
凌馬は照れながら言う。
「ね、寝かせないとか………あーもういいよっ、忘れてくれっ！」
貴虎から眼鏡を奪い、ぶつぶつと文句を言いながらリビングへ向かう。
口の中のコーヒーの香りが強くなったか
貴虎は凌馬と同じようにコーヒーの香りを感じた。

凌馬はお揃いのカップでコーヒーを煎れ、貴虎の口の中で感じた苦味がふわりと鼻を通っていく。

今朝の些細な幸福で、眠気はどこかへ消えて行った。

もう少しだけ(凌→貴)→←無気力(凌+貴+光)

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