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次に目が覚めたのは柔らかい布の上だった
目の前に広がる景色は私の部屋そのもの
私は床で眠りについたはず、と周りを見回してみる·
先程まで朝だったのにも関わらず、窓の外は夕日が沈み暗闇が広がっていた
体を起こすと額から温くなった濡れたタオルが落ちてきた
どうやら誰かに看病されていたらしい
しばらくすると部屋の扉が開いてしんぺい神が手桶を持って入ってきた
『しんぺい神。』
sn「Aさん、目が覚めた？大丈夫？寒気ない？」
『寒気はない。』
sn「じゃあ熱は上がりきったのか…ちょっと失礼。」
しんぺい神は私の手首を触り脈を測る
数秒後にぱっと手を離し、心底心配だといった顔をする
sn「まだ相当しんどいでしょ、ゆっくり休んで。」
横になるとしんぺい神は温くなったタオルを手桶の水につけて絞り、私の額に置く
浅い呼吸を繰り返し、遠のく意識を何とか引き戻す
寝たおかげか朝よりかはマシになってはいるが酷い状態だ
そういえば、と思い出ししんぺい神に聞く
『ひとらんらんの体調は？』
sn「ひとらん？特に変わらずだけど…。どうして？」
『私が今こうなってるのは恐らくひとらんらんのいた館の主のせいだ。
恐らく薬を吸わされた。ひとらんらんの方が私より多量に吸っているはずだ。
体調に変化がないということは、マスクが特殊なものなのだろう。
一応診ておいた方がいい。』
息も絶え絶えでしんぺい神に伝えて大きく息を吸う
しんぺい神は驚いたような表情を一瞬浮かべて考え込む
sn「薬が効かないのはそういう事か…。
それが本当なら申し訳ないけど治せるかどうかはAさん体力次第になるかもしれない。」
『そうだろうな。』
sn「出来る限りのことはする。とにかく今はゆっくり休んで。」
じゃあ、と言ってしんぺい神は部屋から出ていった
しんぺい神が元は凄腕の軍医だとしても今この薬の対抗手段は何も無い
だが恐らくこの薬は私の動きを鈍らす事が目的であり、命に別状はないだろう
あの女はマスクも何もしていなかったから命の危険があるほどの薬ではないはず
解毒剤があったとしても、命に関わるような薬を自ら吸うリスクは負わないだろう
思考を全て投げ出すように目を瞑る
そろそろ体力の限界らしい
全身の力が抜けて浮遊感が体を襲う
今はとにかく休むしかない
自然治癒を待つしかないのだから
沼に沈むような感覚と共に意識を手放した
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ライ - すごく面白いです！すごく大好きです！主さんのペースでこれからも頑張ってください！ (2022年3月27日 22時) (
レス) @page9 id: 9516bfdddc (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - 続編おめでとうございます！この作品リメイク前から大好きです！これからも応援しています！！ (2022年3月10日 0時) (レス) @page1 id: 4f425976bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らい | 作成日時：2022年3月9日 23時
