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先輩に支えられるまま洗面所に向かう。
泣いているわたしの背中と、ときどき頭を撫でながら水を渡してくれる。
こんな奴に弱いところなんて見せたくなかった、のに、


涙が零れるのは、子供みたいになってしまうのは、
先輩のそばにいると安心するからだろうか?



「よう頑張ったな、ベッドまで行ける?大丈夫?」


「だいじょぶ、」


「無理せんとき」


「うん」



先輩に支えられて横にしてもらう。
その間も常に頭を撫でて落ち着かせてくれる。


「また具合悪くなったら言うんやで」


「ん、」


「泊まらせてもらって大丈夫?」


「ん」



大丈夫じゃないわけない。既に意識は半ば飛んでいて、
金子先輩の綺麗な顔が微笑むのを見つめているだけ。

侑司くん、なんて、今なら思いきって言えるかもしれない。



「ゆーじ、くん」


「A」


「……むかしみたい」


「懐かしいね」



こうやって笑い会うのも、
具合が悪いときに看病してもらうのも、
恋人みたいだ。


10年前と同じような距離感で、いや、それ以上かもしれない。
私、やっぱり子供だったんだなぁ。


───────今だって、こんなに先輩のことがすきなのに。

酔っているせいで、名前を呼ぶことにだって抵抗はないし、
頭を撫で続ける手を振り払おうとも思わない。

ただ、先輩といることがこんなに幸せだったなら、
もう一度そばにいたいと思った。

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ちゃみ - お話惹き込まれて一気読みしてしまいました…!ドストライクで凄く好きです。素敵なお話をありがとうございます。いつかまた更新されることを願っています! (2021年5月6日 0時) (レス) id: d0e9746bc6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作成日時:2019年7月24日 22時

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