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「ほな行こか」
「え、もう?」
「今からやで」
どこに行くのだろう。
侑司くんのことだからきっと素敵な場所に連れて行ってくれるには違いないのだろうけど、全く予想がつかない。
テーマパーク?いやいや、この季節にそれはないか。だとしたら普通にご飯とか?ならわざわざ隠す意味もないか……なんて色々と探ってしまう。黙ってる私を変に思ったのか、
「Aさあ」
「え?」
「どこ行くか当てようとしてへん?」
……バレてる。この男には私の思考が全て筒抜けみたいだ。おかしいな、もしかして超能力者かなにかだっけ────?更に何も答えない私を見て彼は確信したようで、つまらんなあ、と言う。
「つまらんって何よ」
「こういうのはわからんから楽しいんやろ?」
「……そうだけど」
「やろ?せやから、知らんくていい」
全く、この人と自分は正反対だなとつくづく思わされる。私は何事も確実に行きたいのに、この人は可能性だけで生きてるみたいな節がある。それでも地道に頑張ることも知ってて───って、こんな褒め散らかしてる場合じゃないんだよな。
相変わらず金子侑司はニッコニコのまま私の髪の毛を玩具のそれのように触るし、私は私でなんとなく気持ちよくて抵抗できないままだ。
いつまでもこれでいい。こんなしあわせがいい。
ああ、昼ご飯、つくらなきゃ。なんて馬鹿なことを考える。昼ご飯も外で食べるのかな。
侑司くんは黙ったまま。
空は私たちを待っているかのように晴れ渡っている。
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以下、作者のコメントあります
皆さんお久しぶりです、縁と申す者です…!
しばらくリアルの事情でインターネットを触ることが出来ず、このサイトとも疎遠になっていたのですが些細なことでこちらのページの存在を思い出し、どうせなら……と思ってまた細々と更新を続けることに致しました。
これだけ更新ができていなかったにも関わらずお気に入り登録をして下さっている皆様には感謝の気持ちしかありません。
これからも私共々この作品をよろしくお願い致します。
縁
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ちゃみ - お話惹き込まれて一気読みしてしまいました…!ドストライクで凄く好きです。素敵なお話をありがとうございます。いつかまた更新されることを願っています! (2021年5月6日 0時) (レス) id: d0e9746bc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:縁 x他1人 | 作成日時:2019年7月24日 22時