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「わ、私も……侑司くんが、世界で1番だよ」


震える声で呟く。聞こえたらいいな、いや、聞こえない方がいいか。
こんなの知られたら恥ずかしくて堪らんもんね。

でも、そういったことに敏感なのが金子侑司でした。



「へー、嬉しいこと言ってくれるやん」

「聞こえた?」

「Aの声は1音も逃さず聞きたいもん」

「あぁもう、」


ダメだ、何か言う度にそれ以上の言葉で返ってくるから恥ずかしくて仕方がない。いや、恥ずかしくてそれでいいのかもしれないけど、私の心が持たん。そう考えてる間にも侑司くんは好き勝手私の頭や首筋を撫でてくる。猫かなんかとでも思われてるんじゃないかとたまに感じる。
でも、指先から伝わるこの熱は────────きっと、愛だから。



「好き」



耳元でそっと囁く。動悸が凄い。いや、なんでこの人は恥ずかしげもなく好きだなんて言えるのだろうか。以前聞いたときには本心だから口をついて出るんだよ、って言われたけどさ、私にはよくわからないしそんな人類がいることも初めて知った。

私も、なんて言うともっと恥ずかしいことを言われるのは予想がついてるので何も返さないでおく。今日欠勤の連絡は……してた。はず。



「出かけよっか」

「どこ?」

「どこでも。」

「そればっかり……」


もうお昼やぞ。どこでもって訳分からんし、多分夜から出かけるんだろう。ふたりで。
久しぶりのお出かけに少しワクワクしてるのを見抜かれたみたいで、またにこにこしながら恥ずかしい台詞を連発してくる。どんだけ強心臓?



「楽しみにしててな」




よくわからないけど、楽しみじゃないわけない。

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ちゃみ - お話惹き込まれて一気読みしてしまいました…!ドストライクで凄く好きです。素敵なお話をありがとうございます。いつかまた更新されることを願っています! (2021年5月6日 0時) (レス) id: d0e9746bc6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作成日時:2019年7月24日 22時

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