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「Aちゃん今なにやっとんのやっけ」


「OL」


「地味やね」


「貴方が抱くような女に比べたらね」



皮肉ったつもりなのに笑われる。
いつもそうだ。先輩ばっかり余裕こいてる。

そこまで遊んでへんよ、なんて言うけど絶対うそだ。




「なんで別れたんやったっけ、俺ら」


「知らない。10年以上前」


「ちょうど10年くらいちゃうの?」


少し間を開けて、


「あぁ、思い出した」



また、わざとらしく笑う。顔が整っているから余計に腹が立つ。
かっこつけんな、って冷めた目で見てみるけど、
10年前みたいにまたニヤついてしまっているのだろうか?




「Aちゃんが嫉妬深かったんや」


「……べつに」


「嘘つけ」


「今考えると付き合ってなくてよかったなって思います」


「俺は一時期やけどいい恋人だと思ってた」


「女何人分の役割もこなせないんで、私」


「何の話?」



言わない。
言えない。
金子先輩と付き合うことで、何かを期待してた訳じゃない。
高校2年生と3年生で、なにか、お互いの本質に触れるようなことを、
したいとだけ思っていたわけじゃない。




「金子先輩」


「苗字で呼ぶん、やめてよ」


「やです」


「いつもそうやな、頑固やねん」


「嫌だったら帰ってください」


「心配やから、無理」





訳が分からん。





「俺かてAちゃんと付き合ってるときに恋人っぽいことしてないの気にしてたんよ」


「……私はべつに気にしてません」


「嘘やろ」


「先輩が誰に触れてても、知らなければ、よかった」


「……」


「私に触れてくれなくても、私以外にもそうなら、よかった」


「過去のことや」




そう言ってすぐ責任逃れんの、やめて。




「彼女である意味なんて、なかったじゃないですか」

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ちゃみ - お話惹き込まれて一気読みしてしまいました…!ドストライクで凄く好きです。素敵なお話をありがとうございます。いつかまた更新されることを願っています! (2021年5月6日 0時) (レス) id: d0e9746bc6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作成日時:2019年7月24日 22時

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