ゆらり夏の日 (ページ17)

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「ずっと思ってたんですけど、もしかしてって」

もしかしてって、勢いで別れてからずっと考えてた。
アイツらに何かされたんか、っていうのは、もしかして。

あの女とキスした理由になるんじゃないかって、

「あの人、私のこと嫌ってた人ですか？」

「お前色んな女に嫌われてたからなぁ」

「いや、先輩のせいなんですけどね」

そう。モテモテな金子先輩と、大して派手な女でもない私。
そんなカップルに金子先輩の信者が黙ってるわけない。

私は先輩のことを嫌い嫌い言うから、それも嫌われる原因になってたと思う。
付き合い始めてから周りの目が変わって、仲良くしてくれたのは私のことをよく知ってるクラスの人だけで、特に違う学年の人──────主に先輩、には基本嫌われてたと思う。

「あいつやろ、お前の体操着隠したりした奴」

「あの人そんな馬鹿だったんですね」

「気付いてたんやろ？」

「……」

知らない。知らない方が良かった。
私はどうしても、金子先輩を嫌いたいんだから。

「言ったやろ、キスなんてしてへん、嫌いな女とするわけない」

「ちがう」

「何も違くない。あんな奴嫌や、俺の好きな人を傷つける奴なんて嫌に決まってる」

「ちがう、でしょ……先輩が、告白されて」

「お前、なんでそんなに俺が嫌なん？」

違う。

認めたくない──────────。