狂者が三人。 ページ30
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「そもそも嫌われる前にまた俺でいっぱいにしてやればいい話だろ」
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簡単すぎて笑えてくるな。
俺は荼毘の発する言葉全てが予想外だった。俺はどこかで荼毘はAのことを駒としか思っていないんだと決め付けていた。だが実際は真逆。Aだけが惚れ込んでいると思っていたのに...荼毘はそれ以上にAの想いを募らせている。
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「つかお前とお前、邪魔なんだよな。姫だか何だか知らねぇが捕まってんのにきっしょく悪い声出してよぉ。お前に至っては何でAに気に入られて笑いかけられてんだ？あ？」
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もっとだ。拗らせて、限度を超えていた。
タケミっちと柚李羽に矛先を向けた荼毘は二人に向けてすぐに手を出そうとした。だが［A..っさんは！いつもアンタの話をしてた！！タケミっちはそれを聞いてただけだ！！］と叫ぶ千冬の言葉に手を止めた。それでも気に入らないようで関係ないと言いたげだったが止めた手を動かすことはなかった。
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「..アイツはお前に俺のことをどう言ってた」
「っかっこよく、って自分にはもったいない、っ自慢の彼氏だっ、て..自分以外に貴方のことを知ってるのが、嫌だって、その、っ」
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所謂［嫉妬］だった。彼女は違うと言い張っていたけど普通に考えればソッチに意見が向くのは当然のように思える。現に彼女は単純なほどに荼毘のことを褒めたタケミっちですらもムカつくと跳ね除けていたんだ。理不尽な上に底知れない嫉妬心。だが似たもの同士が恋人になる、という噂はあながち嘘じゃあない。
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「...そうか。」
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荼毘はそれしか言わなかった。でもその顔は確かに愛おしさを育んでいる。要は荼毘も荼毘で嫉妬心を燻らせていたというわけであってタケミっち達が怪我を負う理由にはならない。そう判断したのかそれ以上向こうから手を出してくることはなかった。
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「逃げようとか考えるんじゃねーぞ。」
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Aを抱えた荼毘はそのまま姿を消した。大方彼女をどこかに運んでいるんだろう。やっぱり隙がなく、タケミっち達に拘束具をつけて出ていった。震える柚李羽に駆け寄りたくても身動きが取れない。言葉をかけても空返事なところにマイキー達はそろそろ我慢ができない様子だ。
..
でも手が出せない。いや、出したらいけない。本能が告げてくるその警鐘に流石のマイキー達も逆らえないらしい。否逆らってはいけないの方が正しいかもな。現に俺も少しだけ［怖い］＿＿..そう思ってしまった。
終わり
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橙沼(プロフ) - もう更新されないんですか…？この作品凄く好きです。 (12月30日 17時) (
レス) id: 672b289667 (このIDを非表示/違反報告)
👾 - 最後の荼毘くんのセリフかっこいいでか (2022年4月5日 7時) (レス) @page29 id: 3421e64136 (このIDを非表示/違反報告)
黒百合 - 更新まってます (2021年11月20日 21時) (レス) @page27 id: 3421e64136 (このIDを非表示/違反報告)
夾(プロフ) - リィさん» そうです！ちょっと変えて使ってしまいました･･･(汗)気付いてくださって嬉しいです！更新頑張ります！これからも宜しくお願い致します！ (2021年10月22日 23時) (レス) @page20 id: 54a1d0bb57 (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - 目標が2人のページ！！！！魔法少女サイトの管理人 弐だぁぁ！！！あっちょっと質問。弐のセリフをちょっと変えて使ったんですか？すっごいおもしろくて大好きになりました！！！更新頑張ってください！！！ (2021年10月21日 12時) (レス) @page7 id: 3d8772a864 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夾
| 作成日時：2021年10月19日 20時
