素直な気持ちが五つ。 ページ26
☆
「･･･お前ほんとすぐに泣くよな」
『だびぐんのぜい"だもん』
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個性事故だからか一人部屋を勝ち取った母親にちゃんと挨拶できるのは有難い。起きてたら、もっと良かったんだろう。Aも笑って、母親も笑って、俺は必死に交際許可もらうか？･･･ンなことする前にAが口挟んでるだろーけど。
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「･･･早く起きるといーな」
『･･････だね、』
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嘘だ。
本当は起きなくても良いと思った。むしろ起きるなと、俺は本気で願っていた。起きたらコイツは母親に付きっきりだろうし なんなら連合自体抜けるって言いそうだから。現にそういう運命なのだと目の前で思い知らされていた。
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『お母さん。私ね、荼毘･･燈矢くんと一緒にいたんだ、ずっと』
「･･･」
『ヴィランだって知ったら、__怒っちゃうかな、』
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少しだけ俯くその様子に俺はAの肩を抱いていた。
大丈夫だと、口で聞かせるだけじゃなく手も動かした。
少し強ばってるアイツの手は本音を示していて、どうにも言葉だけはかけてやれなかった。
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『･･･私が死◯ぬまでに起きてもらえると助かるよ』
「縁起でもないこと言ってんじゃねぇ」
.
看護師が来て顔が割れるのも面倒だからと早々に切り上げて帰ろうとする。Aが母親を見つめる中で俺も密かに言葉を紡いだ。【絶対に裏切らない】【絶対に手放さない】【絶対に起きろ】･･･一つは願いだけど、残りの二つは願わなくとも叶え続ける_____戒めだ。
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『明日とかに起きたら荼毘くん凄いのに』
「死者蘇生の個性は持ってねぇよ」
『そんなのあったら逆に先生に取られてるって』
.
燈矢くんって、呼ばねぇの？
覗き込むようにAに聞くと驚いた顔をしながら固まった。そんなこと、本人から言われるとは思わなかったんだろう。それに返すように呼んで良いのかとだけ呟いた。
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「二人の時だけな、」
『･･ふふ、特別みたい』
「みたいじゃくてそうなんだよ、」
.
人並みの幸せくらい感じたって良いだろ？俺もコイツも苦労したんだ。だから俺は死◯ぬまでコイツの味方だし誰に何を言われようがコイツ以外に愛を囁くつもりもない。俺たちはこれが普通なんだよ。お互いがお互いを選んだその時から、
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「なぁ、こっち向け」
『優しいのか命令なのか絞ってよ、』
「じゃあ、お願い」
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小さく笑うAを抱きしめた温もりも、口付けた苦しさも。
誰にもやらない二人だけの【特別】だ。
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橙沼(プロフ) - もう更新されないんですか…？この作品凄く好きです。 (12月30日 17時) (
レス) id: 672b289667 (このIDを非表示/違反報告)
👾 - 最後の荼毘くんのセリフかっこいいでか (2022年4月5日 7時) (レス) @page29 id: 3421e64136 (このIDを非表示/違反報告)
黒百合 - 更新まってます (2021年11月20日 21時) (レス) @page27 id: 3421e64136 (このIDを非表示/違反報告)
夾(プロフ) - リィさん» そうです！ちょっと変えて使ってしまいました･･･(汗)気付いてくださって嬉しいです！更新頑張ります！これからも宜しくお願い致します！ (2021年10月22日 23時) (レス) @page20 id: 54a1d0bb57 (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - 目標が2人のページ！！！！魔法少女サイトの管理人 弐だぁぁ！！！あっちょっと質問。弐のセリフをちょっと変えて使ったんですか？すっごいおもしろくて大好きになりました！！！更新頑張ってください！！！ (2021年10月21日 12時) (レス) @page7 id: 3d8772a864 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夾
| 作成日時：2021年10月19日 20時
