人質が四人。 ページ14
☆
武道 side
『ヒナちゃんって言うんだね〜』
「は、はい･･･会ったこと、ありますよ」
『ん〜？･･そうだっけ、』
.
あの日から多分二日くらい経ったであろう今日。今日も今日とてAさんはやたらと俺に絡んでくる。マイキーくんやドラケンくん達には目もくれず必ず俺のところに来るんだ。それが嬉しくもあり恐ろしくもあるんだけど･･･。ヒナと会ったことあるはずなんだけど記憶にないのか首を傾げている。
.
『良いねぇ。青春だ』
「Aさんも、荼毘さんとお幸せそうで、」
『んー。幸せではあるね、』
.
付き合ってはない、Aさんはそう言い切った。あんなに仲睦まじい二人なのに付き合ってないと聞くと少し感覚がバグる。Aさんに連れて来られて以降、案外快適な生活を送っている。ご飯も出てくるしお風呂･･･にも荼毘さんの監視付きで入らせてくれた。寝る時も毛布くらい出してくれるし、なんというか、、もてなされてる感が否めない。
.
『･･･ん？』
「ひ、っ」
.
でも逆に、そんなAさんを見て怯えている人もいる。いやまぁ分かりやすく、ではあるけど柚李羽さんだ。この間までいなかったはずの柚李羽さんがなぜいるか。それは単純にAさんが彼女も人質の一人として加えていたからだ。
.
「急、に鬼ごっこしようって追いかけ、らっれて･･･それで、気が付いたら、暗いところにっ」
.
柚李羽さんの言うことは正しかったのかAさんはそんなこともあったね〜と笑いながら返している。怯える目を向ける柚李羽さんにAさんはまたも笑いながら近寄った。これな〜んだ、そう言ってAさんが見せて来たのは一枚の写真。それを見て柚李羽さんは呆けたように固まった。
.
「私の･･･妹、？」
『そう、妹さん。可愛い子だよね〜』
.
ぐしゃり、
握り潰された写真は更に形を変えて気付けば粉砕寸前になっていた。こうなりたい？と言いたげな顔に柚李羽さんは心底恐ろしそうな顔をしている。震えが増す中でAさんは柚李羽さんの頬を掴んで少し怒ったように、いや今思えば怒っていたんだ。ずっと。
.
『こうなった原因があなただって、分かってる？』
「･･･へ、」
『･･･まっ。理解出来ないなら良いけどさ〜』
.
Aさんは柚李羽さんに怒りを抱いてる。もし彼女を殴った理由がそこに繋がっているとしたら･･･？ココから抜け出せる方法に繋がるとしたら、今ココで聞き出せるのは俺しかいない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 391人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
橙沼(プロフ) - もう更新されないんですか…？この作品凄く好きです。 (12月30日 17時) (
レス) id: 672b289667 (このIDを非表示/違反報告)
👾 - 最後の荼毘くんのセリフかっこいいでか (2022年4月5日 7時) (レス) @page29 id: 3421e64136 (このIDを非表示/違反報告)
黒百合 - 更新まってます (2021年11月20日 21時) (レス) @page27 id: 3421e64136 (このIDを非表示/違反報告)
夾(プロフ) - リィさん» そうです！ちょっと変えて使ってしまいました･･･(汗)気付いてくださって嬉しいです！更新頑張ります！これからも宜しくお願い致します！ (2021年10月22日 23時) (レス) @page20 id: 54a1d0bb57 (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - 目標が2人のページ！！！！魔法少女サイトの管理人 弐だぁぁ！！！あっちょっと質問。弐のセリフをちょっと変えて使ったんですか？すっごいおもしろくて大好きになりました！！！更新頑張ってください！！！ (2021年10月21日 12時) (レス) @page7 id: 3d8772a864 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夾
| 作成日時：2021年10月19日 20時
