俺はあの日恋をした【国見英】

24話 ページ28

予定通り橘先輩を探して


図書室のドアをそーっと開けた…いや、そーっとしなくてもいいんだけど









国「(いないかな…)」









とりあえず中に入って図書室を見渡すと、本棚を整理している橘先輩が居た。






俺には気づいてない。

後ろからそっと声をかけた。









国「先輩」








『うわぁっ、びっくりした…』







びっくりした先輩に俺もちょっとびっくりしましたよ…







国「すみません。ちょっと頼みたい事があって…」







『どうしたの？』







国「あの…めちゃくちゃ急で悪いんですけど」







国「明後日の合宿のマネを頼みたいんですけど…」








『あぁ、いいよー』





橘先輩は悩みもせずに、本棚の整理を再開しながらさらりと返答した。








国「え、めっちゃすんなり…」








『まぁ手伝いするって言ったしねー』








『ていうか、ホントに急だね』








国「すみません。急に決まったらしくて、俺も昨日伝えられたところなんですよ」








『そんなんだ。あ、相手校は？？』







国「音駒です」








『そっか、分かった』







国「合宿は三日間で、音駒もマネがいないので橘先輩大変になっちゃうと思うんですけど…」







『大丈夫大丈夫。問題ないよ』









国「本当に急で申し訳ないです」






受験生だし一人で二校分の仕事しないといけないし、そもそも急だし。本当に心から申し訳ないな、と思う。









『大丈夫だって、手伝いするって言ったの私だし』








橘先輩は本当にお人好しですよね。って言おうとしたけど思っておくだけにしておく…








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