68..... ページ18
一瞬心臓が跳ねたが、冷静を保ちながらスマホを取り出した
だってエリは笑ってるし、ライブは好評だったんだ。失敗の要因は皆無なのだから焦る必要は無い
【最後のバグの修正に成功しました】
『え………？』
意を決して見たスマートフォン。その通知画面には別の意味で俺を動揺させる文章が映し出されていた
【おめでとうございます！オートセーブの後、最後の報酬をお選びください】
最後……だと？
「Aさん、どうしたの？」
『えっ…と、まだまだ文化祭は続くし、ゆっくり楽しめよ』
俺の様子の変化にいち早く気づいたエリに、誤魔化す様に頭を撫でてそう言った
最後って事は、俺はもうこの世界で理不尽に死ななくて済むんだよな？
『……』
あれだけ元の世界に帰りたいと、ヒモ生活に戻りたいと懇願していたのに何故か今の気分は晴れやかじゃなかった
唐突すぎて、気持ちがついていけないのだろうか…素直に喜べない
「A、今良い？」
色々な思いや考えが頭の中を忙しなく巡る中、響香が話しかけてきた
「ちょっと話したい事があって……」
『別にいいけど…？』
聞き取りづらい程の小さな声で、響香は俺にそう言った
三奈や梅雨、お茶子といった女子達がヒソヒソしながらこちらを見ている気がする。それに響香のこのたどたどしい話し方や、緊張した表情を見るに……
『………まじか』
この空気感を察せれない奴は相当の阿呆だ。それかよっぽどモテてこなかった輩なんだろう
「今日は人も多いから、体育倉庫でも良い？」
俺は彼女の問いかけに二つ返事でOKすると、すぐそこの倉庫内にへと足を進めた
『えっと、どした？』
わざとらしいな、と自分でも思った。
2人っきりのこの場で、異性が伝える事なんて決まっているのに
「Aとさ、文化祭までの期間を通して関わることが増えたじゃん？」
『あー、まぁ…そうだな…』
「Aの事知ってから、適当な奴に見えて必死に努力するような奴って分かってから見る目が変わって……」
響香がつらつらと語るのに、俺の頭の中にはその話の内容は殆ど入ってこなかった
それは浮かれてるからだとか、そういうのじゃなくて
「何回も死んでるっての聞いちゃって、ほっとけなくなったって言うか…」
彼女がもうすぐ口にする告白を『如何に傷つけずに断るか』
そんな考えばかりが頭を支配していた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 836人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さる - 私を何回尊死させる気ですか？！？！ (1月2日 5時) (
レス) @page27 id: ff6fc14333 (このIDを非表示/違反報告)
オタク - え？え？終わった？え？怖い...ギャァァって声が出た...え？やば、え？？轟くんが少し怖い...ぇ、もしかして惚れ薬選んだらずっと夢主くん...あっ......怖い...心臓バックバクです... (11月7日 19時) (レス) @page27 id: 625a6655ea (このIDを非表示/違反報告)
marimo03250226(プロフ) - 終わり方すきすぎます… (2023年2月18日 20時) (レス) @page27 id: aa76c2eb87 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 最後ゾワッときた。ホラー漫画かと思ったぐらい面白かったです。 (2023年1月16日 22時) (レス) @page27 id: ab7be6f3e6 (このIDを非表示/違反報告)
もぶおぢ！(プロフ) - えっ…えっ…死ぬほど面白いでした…えっ…終わり方怖いし熱いし…凄すぎる…狙ってか分かんないけど続く（更新停止中）なのがこっちからは見れないけど地獄は続いてるんだ感あって大好きです…… (2023年1月9日 1時) (レス) @page27 id: 2bc90df2d9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒兎 | 作成日時：2022年2月19日 10時
