【呪術廻戦】こっち来んな呪術師！

呪術師 ページ9

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『いってぇっ！』





腕がもげそうになりつつも、もう片方でしっかりと平井弟を抱えた。

後ろからは呪霊が叫びながら追って来る。

容赦なく腕を引かれ廃屋の廊下を引き摺られた。





空気が軽くなったと思ったら、廃屋から外へと飛び出していた。

ズサァッと地面に背中を打ち付けて唸る。





『ってぇ……んだよ一体っ』





イラついたまま悪態を吐き、体を起こした。





するとまた、ロープを括った腕が引かれた。









「おい、誰だお前」









声のする方へ視線を向けると、黒い服に包まれた男が二人立って居た。

一人は、黒いサングラスに白髪の男。

もう一人は、黒い髪を団子にした男。





「つか、何で帳の中に居んだよ。どうやって入った」



「入ったというより、元々中に居たんじゃないかな」





二人で会話する間、白髪の男がくいくいと俺に括られたロープを引っ張っていた。

鬱陶しいから手首からロープを外した。

擦れた部分が赤くなっているのを見て、俺は舌打ちをした。





「こんな場所で肝試しかぁ？ バカやってんじゃねぇよ、餓鬼が」



『はぁ？ 誰が好き好んでんなことするかよ。俺はただ――』





その時、廃屋の入り口が崩壊してさっきの呪霊が飛び出して来た。

すると、団子頭が前に出た。





「私に任せて」



「お前なら余裕だろ」





そう言った途端、迫って来る呪霊が、横から来た別の呪霊に飲み込まれて行った。





「ふむ……２級とは言え雑魚かな。このまま飲み込んでしまおう」





つまらなそうに団子男が言うと、目の前の呪霊が消えて行った。





あの呪霊は、この男が出したんだ。

呪霊を操る人間、見える人間だ。





それは即ち……









(此奴等、呪術師か)









本日、俺は祖母の約束を多く破った。





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