【呪術廻戦】こっち来んな呪術師！

願望 ページ37

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『――っ』





うっすらと目を開ければ、薄暗い瓦礫の中。

ギシギシと悲鳴をあげる体を起こせば、バラバラと瓦礫が体から転がり落ちる。





どれくらい気を失っていたか。

恐らく数秒だろう。

出なければ俺は目の前の呪霊にやられていた。





相変わらずこちらをニタニタと笑いながら見てくる特級呪霊。

完全に遊んでやがる。ムカつく野郎だ。





俺はその場に座り込んで、自分の体を確認した。

てっきり腕の一本、足の一本が千切れているかと思ったが、いまだ五体満足だった。

いや千切れたが術式が発動して治ったのだろうか。





上着と下に来ていたワイシャツが大きく裂けて服の意味をなしていない。

どちらにせよ、眩暈と吐き気が酷いのは何度も術式が発動した証拠だ。

辺りには俺の血だろう赤黒い染みが広がっている。





失血死――いつだか家入が言った俺の死因だ。

相手があと数回殺しに来たら恐らく俺は死ぬ。





気を失っていた時に見た夢。

あれは一種の走馬燈だったのだろうか。

同級生三人と下らない事で盛り上がった。





そう言えば、五条は俺が送ったメールを見ただろうか。

送った後すぐに吹き飛ばされたから携帯電話は壊れた。

変な切り方をした電話を不審に思って、俺の所に来るだろうか。





『……ははっ、笑える』





それは全て俺の願望だ。





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