ぶつける相手 ページ28
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『五条が最初に気付いたけど言わなかったから悪いのは五条だと思う』
「ふざけんな。傑の見舞いのメロンが悪い」
「メロンに罪はないよ。潰そうとして騒いだ悟が悪い」
「騒いだのは須田もだろ」
『そもそもお前が見舞い品持って来ないのが悪い』
「それ関係ねぇだろっ!」
「私最後に様子見に来たから悪くなーい」
「てんめぇ一人だけずりぃぞっ!」
「お前ら連帯責任だっ!」
「「「『えー』」」」
医務室に入って来た強面のオッサンは五条達の担任、夜蛾先生だった。
俺が目を覚ましたら今の現状と今後のことについて説明をする予定だったそうだ。
先生への連絡を怠った所為で、俺たちは4人仲良く正座して説教をされていた。
「……さて、須田誠一、早速で悪いが今後について――」
『センセー、面倒臭ぇ話始める前に言っとくけど、俺は呪術師になるつもりはねぇよ』
正座して若干痺れる足を叩きながら俺は立ち上がった。
『治療してくれたのは感謝するけどもうここに用はねぇから。俺は帰る』
「……それは出来ない」
『何で?』
「君についての情報は上層部も周知している。花渡家の血筋であることも、相伝の術式を保有していることも。それに先日君を襲った呪詛師も雇われたと言っていた。他の呪詛師にも情報が漏れている。いつまた命を狙われるか分からない。高専では君の保護という形で転入を――」
『勝手に決めてんじゃねぇよ』
怒りを含んだ俺の低い声に、夜蛾先生は口を閉じた。
『誰が、いつ、守ってくれって頼んだ。花渡の血と術式が何だ。そんな大昔のいざこざ掘り返されて迷惑なんだよ。俺の情報だって、花渡家が嫌いは奴が情報漏らしたんじゃねぇのかよ。信用できねぇ奴らに匿って貰って、俺が喜ぶと思ったかよ』
ギロッと夜蛾先生を睨めば、申し訳なさそうに眉をハの字にして黙っていた。
そして分かる。
夜蛾先生は優しい人だ。
本当に俺を保護するつもりで話している。
勝手に進めたことを申し訳ないと思っている。
だからこそ、今のイラつきを全部この人にぶつけられない。
俺は舌打ちをして先生の横を通り過ぎて部屋を出て行った。
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腐男子 - あんまりわかんないですけど五伏コンビが見たいっす。 (2022年1月21日 18時) (レス) id: af98c525c3 (このIDを非表示/違反報告)
家具が高い - パパ黒と絡むのは新鮮!面白かったですー! (2022年1月10日 17時) (レス) @page50 id: c06f6fba38 (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - REBORN!ヲタクは今日も尊死するさん» ご指摘ありがとうございます! 夏油なら言いかねないけどここは間違いですね! 訂正して置きます。 (2021年12月5日 0時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)
REBORN!ヲタクは今日も尊死する - 37話で夏油の「行ってらっしゃい」が「行ってらっちゃい」になってましたよ?ワザとでしたらすみませんッッ! (2021年12月4日 23時) (レス) @page37 id: 9f95d8689d (このIDを非表示/違反報告)
輪廻 - リクエスト!!体調不要で吐きそうで吐けなくて困って時に、夏油に見つかって夏油の指喉に突っ込まれて[ごめんね]とか言われながら吐く感じのを見たいっす!! (2021年11月16日 19時) (レス) @page45 id: 23123a7f78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2021年9月19日 17時