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怪盗キッドについて ページ46

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「聞きたいことがあるの」

「聞きたいことですか」

 キッドは何かおかしな気配だなと思うと共に、Aの視線がここにきた直後に感じたものと同じであることに気がついた。

 これは探りの目線だ。
 そうキッドが気がついた頃には、Aが口を開いていた。

「友人から怪盗キッドについて少し教えてもらって、その時聞いたの……貴方は十数年前から活動しているって……それは本当?」

「!」

 Aは自分でも本気半分冗談半分にその事実について話を聞きたかった。問いかけてきたAに、キッドは答えを迷った。

 正確に言えば、自分は二代目だからそれはある意味真実でありある意味嘘でもある。しかし答え方がわからなかった。
 キッドはAに自分が二代目であることや、その理由は、まだ話してはならない気がした。

 全て直接的にパンドラに繋がる事柄だ。もし、キッドが二代目であることがAから漏れて、組織の耳に入れば彼女の身が脅かされる。
 Aを信じていない訳ではないが、何があるかわからない中では、真実を教えるのには時期尚早だと思えた。

 キッドが答えを渋るのをみて、Aも何かしら気がついたのか、恐る恐る別の角度で質問をしてきた。

「……貴方、今いくつなの? 私はてっきり二十代か十代だと思っていたから…」

 それとも顔が平均よりずっと若々しいのかしら。などとちょっと冗談を言い、Aが空気を和らげようとする。

 しかし一度固く黙り込んでしまったキッドは、Aにどう返答をすればいいのかが分からず、彼女の目を曖昧に見つめ返した。

「……今は、まだ何も言えません」

 キッドは出来るだけ冷静に、Aを傷つけないように言葉の端にも気を遣って返事をした。

 しかしAの方は、そう返ってくるとは予想だにしていなかったのがありありとわかる表情をしていた。


 

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- 一気読みしました!めちゃくちゃ続きが読みたいです!待ってます! (2022年9月13日 8時) (レス) @page48 id: 08a0986ba6 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します!とても面白かったです!もし続編があるのなら、続きを楽しみに待っています!(*´ω`*) (2022年2月10日 14時) (レス) @page48 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫@さかなねこ(プロフ) - shibuyuさん» ありがとうございます!続き早くお見せできるように更新頑張りますね(´˘`*)! (2019年7月11日 0時) (レス) id: e45d5a1191 (このIDを非表示/違反報告)
shibuyu(プロフ) - 怪盗キッド!私も大好きなので萌えます!早く続きが見たいなー!なんてっ♪ (2019年7月8日 17時) (レス) id: 8ac4695b82 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫@さかなねこ(プロフ) - くろばさん» ひゃ〜〜めちゃくちゃ嬉しいお言葉ですありがとうございますー!これからもドキドキキュンキュンしていただけるように頑張りますので楽しみにしていただければ幸いです〜! (2019年7月4日 22時) (レス) id: e45d5a1191 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒猫@さかなねこ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年5月22日 2時

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