丁寧に:Toshimitsu ページ10
「うーっす」
『わっ、もうそんな時間!?』
撮影が終わり車を飛ばして彼女の家に来ると、Aは机の上にカラフルなボトルを並べて鉄の薄い板を爪に擦り付けていた。
「何してたん?」
『爪伸びたから切るついでに整えてネイルしようかなって』
「ふぅん...」
『あ、お鍋にシチューあるからあっためて食べてくれる?』
「おっけ〜セルフサービス!」
『ふふ、ちょっと似てる〜笑』
美味そうな香りを放ちほくほくと湯気があがるシチューを皿に入れて、横に置いてあったパンをトースターで焼く。ゴロゴロおおきな野菜も入ってるけど多分トロトロに煮込んでくれてる。
リビングにお皿を運び手を合わせると彼女は広げていた可愛らしい道具達を片付け始めた。
「え?爪スリスリせんの?」
『ご飯中に爪やすりって嫌じゃない?飛ぶかもよ?』
「いい気遣いだな、褒めて使わそう。」
『ははぁ〜ありがたきお言葉〜!』
「いたらきまーす」
スプーンでシチューを口に運ぶと甘いソースが頬を緩ませる。うま、と小さく零すと席を立ったAがチーズを持ってきてくれた。
『へっへっへ〜お前にはチーズを掛けて高カロリーにしてやろう!』
「や、辞めろっ!俺はダイエット中なんだ!」
『怖いだろう!チーズのカロリーたるや!!!』
悪役のような口振りでチーズを掛けてくれる。こんなに楽しい彼女自慢してやりたいわまじで。
幸せにご飯を食べ終えると洗い物までしてくれて、戻ってきた彼女の爪に俺が塗ってやろうとマニキュアを取り出した。
『え、としみつが塗るの?』
「ちげーだろ、Aに塗るんだよ」
『ねぇ、緑は違うじゃん!モーヴピンクとかにしてよ!』
「なんだそれ、ピンクはゆめまるやん!俺は緑だからな?」
『も〜!』
文句を言いながらも手を出してくれる彼女の可愛い爪に緑の液体を塗っていく。俺よりだいぶ長い楕円の爪にテカテカと艷めく緑色が侵食する。
『1本だけバランス考えて黄色とか入れてよ』
「黄色はしばゆーだから既婚です(?)」
『なに?笑』
爪を塗り終わった頃には俺のHPだだ下がり。
「偉いねって褒めて?」
『乾くまで触れないよ?』
「おい、なんでだよっ!触れなくすんなよ!」
『触れなくしたのとしみつだよ〜?笑』
「俺じゃねぇかくそぉ...」
触れないのか...と頭を垂れていた俺に降り掛かった奇跡のアイデア。すすっと彼女の腰に手を回した。
「爪気を付けて下さいね〜」
『ぁ、ばか...としっ、』
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むう - めちゃくちゃ大好きです!これからも応援してます! (2022年5月7日 22時) (レス) @page37 id: 0b4c79d36c (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - りあさん» ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします! (2020年12月11日 17時) (レス) id: e3e12464ab (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - モーニングルーティンの小説とても好きです。これからも更新楽しみにしています。 (2020年12月8日 16時) (レス) id: 1311488687 (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - かりんとうさん» 具体的なシチュエーションなどはございますか。あれば助かります。 (2020年11月3日 15時) (レス) id: e3e12464ab (このIDを非表示/違反報告)
かりんとう(プロフ) - 初めまして、良ければワタナベマホ君の小説を書いて欲しいです!! (2020年10月30日 10時) (レス) id: 4f5e255211 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴあ | 作成日時:2020年3月11日 21時