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相談相手:Mushimegane ページ42

り「この子に相談するとだいたい解決するから虫さんもしてみれば?」


りょうくんに紹介されたとある女性。ショートカット、高身長、長い手足にスレンダーな身体、そこら辺の男性よりもかっこよく綺麗で麗しいとも言えるようなその女性はどうやら美容師さんらしい。彼女の店が人気店なのは腕が良いからだけではなく、口がとても上手いかららしい。彼女に相談すれば一言で核心に迫るアドバイスをくれるとクチコミが広がり今では1か月の予約待ちらしい。なんでそんな凄い人と人脈があるのか、そんな野暮な事は聞かないけど。数人の飲み会でたまたま自分の隣に座った彼女に話し掛けるのは自然な流れだった。


「お名前は?」

『Aです。年下なのでそんなかしこまらないで下さいね。』


彼女は爽やかな笑顔でそう付け加えた。これはコミュニティー能力が高いのも頷ける。あっという間に彼女の敷地に引っ張りこまれたのが分かった。


「相談乗るの上手いの?」

『自分では全然そんな風には思わないんですけどね。むしろ私口下手な方で...』

「いや、めっちゃ流暢だよ?笑」

『ありがとうございます、褒められると自信が付きますね。』


カランと氷が音を立てて気付いた、今自分はこの人の微笑みに魅入っていた。まるで催眠術にかかったかのように。


り「虫さんは相談ないの?」


りょうくんの声で覚醒した僕の意識は現実に戻ってくる。その質問には在り来りな恋愛したいという欲望をぶちまけた。


『既に出逢ってる人に目を向けてみては?』


柔らかく微笑み在り来りな言葉を吐く彼女を見て拍子抜け。なんだ、とんでもなく心に響く言葉なんかを聞かせてくれるのかと思った。無意識のうちに肩の力が抜けてビールを傾ける。


「逆に相談とかないの?」


何の気なしに聞いてみた質問だった。おー!久しぶり!と言われて、元気だった?と返すように何も考えず口から飛び出たその質問に対して彼女はグラスに刺さった細いストローを弄る。


『まぁ、ちっちゃいことならありますけど...』

「なになに?相談乗ってあげるよ?」


しばらく僕の目を見て彼女はカバンから携帯を取り出した。その待ち受けに映っていたのは某テディベア。思っていた待ち受けと違う...


『私本当はかわいい女の子になりたいんです...』


そう小さな声で呟いた直後、彼女の頬は真っ赤に染まる。

ああ、流石だ。彼女はやはり凄い人だ。確かにこの場で僕は彼女に出逢っていた。

変わった:Teokun→←かずくんの恋:Tommy リク



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むう - めちゃくちゃ大好きです!これからも応援してます! (2022年5月7日 22時) (レス) @page37 id: 0b4c79d36c (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - りあさん» ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします! (2020年12月11日 17時) (レス) id: e3e12464ab (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - モーニングルーティンの小説とても好きです。これからも更新楽しみにしています。 (2020年12月8日 16時) (レス) id: 1311488687 (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - かりんとうさん» 具体的なシチュエーションなどはございますか。あれば助かります。 (2020年11月3日 15時) (レス) id: e3e12464ab (このIDを非表示/違反報告)
かりんとう(プロフ) - 初めまして、良ければワタナベマホ君の小説を書いて欲しいです!! (2020年10月30日 10時) (レス) id: 4f5e255211 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴあ | 作成日時:2020年3月11日 21時

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