助けて:Masai ページ37
今まで私は何となく生きていた
周りの人と同じ頃、在り来りの反抗期を迎え家を飛び出した私はド定番にグレた。煙草にお酒にピアスにタトゥー。悪そうなものはひと通りやった。危ない薬が手に入らない代わりに頭痛薬をオーバードーズしてお酒で流し込んだりもした。気づいた頃には私の周りにそんな人しか居なかった。
初めの頃は心配してくれていた昔の友達も今では腫れ物に触れるように私を遠ざけ恐れた。そして私もまた素直に生きていく真っ直ぐな人達を蔑み嘲笑う。お金を稼ぐ為には女であることを活かせばいいと、16歳の時気付いた。男に媚びて身体を委ねればいくらでも貰える。そう思っていた頃、ある人と再会した。
「A...ここで何してんの」
『別に、次のカモ探してるだけ』
駅前で私に声を掛けたのは中学の時の同級生。こんな私でも彼の現在は知っている。彼は言うなれば社会の勝者で私は敗者。私の名前を覚えてるなんて思ってもいなかった。私の露出極まりない服装と発言で何をしてるか勘づいたらしい。
「...お金、困ってんの?」
『生憎私は貴方とは違うからね』
「いくら必要なの」
『なに、私を買うの?』
「いくら必要なのか教えて」
『じゃあ1000万』
「...わかった着いてきて」
『は!?』
彼は私の腕を掴みグイグイと歩く。抵抗しようとしたものの、お金要らないの?と睨まれて仕方なくされるがままに着いて行った。1000万は嘘でも数万くらいは貰えるだろう。それにしても同級生に身体売るなんて滅多に出来る経験では無いな。そんなことを考えながら着いたのはとあるマンションだった。嫌な予感を覚えて逃げようとした私の肩をキツく抱き、入った部屋には見覚えのある面々が揃っていた。
シ「え...?お前A...?」
ン「嘘でしょ、どうしたのその格好...」
『話が違う...』
マ「俺こいつのこと1000万で買う」
シ「はぁ!?」
マ「俺がしっかり仕込むから、来週にはアシスタントに使えると思う」
『ちょっと待って、何を言ってるの?私帰るから。』
マ「A」
私を見据える彼の目を見ると懐かしい想いが蘇る。そうだ、私は彼が好きだった。
マ「もう辞めろ、俺が面倒見るから自分のこと大事にしろ。」
『...今更そんなの、』
マ「助けてって言え、俺なら助けてやれるから。」
急に優しくすんなよ、そんなんだから私みたいなやつは期待しちゃうんだよ
『た、たすけて...』
マ「おう、助けてやる。」
これだからイケメンはずるいんだ
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むう - めちゃくちゃ大好きです!これからも応援してます! (2022年5月7日 22時) (レス) @page37 id: 0b4c79d36c (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - りあさん» ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします! (2020年12月11日 17時) (レス) id: e3e12464ab (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - モーニングルーティンの小説とても好きです。これからも更新楽しみにしています。 (2020年12月8日 16時) (レス) id: 1311488687 (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - かりんとうさん» 具体的なシチュエーションなどはございますか。あれば助かります。 (2020年11月3日 15時) (レス) id: e3e12464ab (このIDを非表示/違反報告)
かりんとう(プロフ) - 初めまして、良ければワタナベマホ君の小説を書いて欲しいです!! (2020年10月30日 10時) (レス) id: 4f5e255211 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴあ | 作成日時:2020年3月11日 21時