先生:Mushimegane ページ4
『あ"〜今の高校生ハイレベルすぎ...』
撮影終わりに愛しの彼女の家に入って1番、迎えてくれたのはおかえりの言葉ではなく大きな嘆き声だった。
「どうしたの?笑」
『太紀おかえり...』
「お疲れの顔してるけど笑」
『今持ってる男の子が医大目指してるみたいで...偏差値5もあげなきゃいけないの!ねぇ!?なんでもっと早く勉強しとかなかったの...』
「あー、それはなかなか...」
元々僕の大学の後輩だったAは教員になるより個別塾講師の方が向いてる!と大手の塾に就職した。かなり頭のいい彼女は十数人の生徒を抱えてるらしい。毎晩教科書と睨めっこで自主学習し続けている。
『太紀〜これってさぁもっと簡単な解き方無かった?』
「え、文系だったのに理系の子に教えてるの?」
『だってぇ〜理系の講師が少ないんだもん!!』
「もー、お人好しだからそういうことになるんやん。」
『ムカついたから10分休憩の時にPitbullのEDM爆音でかけたらめちゃめちゃ怒られたげ』
「バカと天才は紙一重って言うけどAは紛うことなきバカやんね笑」
『ケツを蹴り飛ばしてやろうかや』
「怖っ!笑」
相も変わらず教科書を見つめてうんうん唸ってる彼女の代わりに、簡単な晩御飯を作り始めた。いつも彼女は仕事に一直線でそんな彼女に惚れた僕の負けでもある。出来上がったご飯の香りに犬並みの嗅覚で教材を片付け手を洗った彼女はキラキラした目で僕の作ったご飯に手を付けた。
『わーい!頂きます!』
「そんな勢いで食べたら喉詰まらせるよ」
『おいひい...うちに嫁に来てくれ』
「逆逆!笑」
『貰ってくれるつもりなんだ?』
「結婚を前提にお付き合いしてくださいって言ったやん」
『確かに、金澤になる準備しとかんと。』
あっさりとそう流す彼女は美味しかったありがとうと満面の笑みでご飯を完食して、また広げた教材と睨めっこしてる。
上がった動画のコメントを見ていると、腕がつんつんとつつかれた。
『たいちゃん先生教えて欲しいことがあります』
「どうしましたかAちゃん」
『さっきのは薬指の予約ということでよろしいですか』
さっきとは打って変わって赤い顔してる彼女は、恥ずかしそうに唇を噛んだ。なんで急に思い出した?いや、それにしても照れ顔が可愛いです。
「そういう事です。」
『ふへ、分かりました』
ゆるりと緩んだ頬を見て、耐えてた何かが解ける感覚を覚えた。
「先生のスイッチ押すの上手いねAちゃん」
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むう - めちゃくちゃ大好きです!これからも応援してます! (2022年5月7日 22時) (レス) @page37 id: 0b4c79d36c (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - りあさん» ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします! (2020年12月11日 17時) (レス) id: e3e12464ab (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - モーニングルーティンの小説とても好きです。これからも更新楽しみにしています。 (2020年12月8日 16時) (レス) id: 1311488687 (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - かりんとうさん» 具体的なシチュエーションなどはございますか。あれば助かります。 (2020年11月3日 15時) (レス) id: e3e12464ab (このIDを非表示/違反報告)
かりんとう(プロフ) - 初めまして、良ければワタナベマホ君の小説を書いて欲しいです!! (2020年10月30日 10時) (レス) id: 4f5e255211 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴあ | 作成日時:2020年3月11日 21時