言葉足らず:Tommy ページ12
思えば彼は出会った頃から掴めない人だった。
「明日買い物」
『え?なんですか?』
「だから、買い物」
『あー...私も行くってことですか?』
「そう言ってるじゃん」
『あ、すみません...』
私は彼の3つ歳下の後輩で掃除と料理出来る?という初対面に有るまじき質問をされて、出来ますと答えてしまったせいで週に4回家政婦をしに行く事になった。私はただのお手伝いで行く予定だったんだけど律儀な富永さんはこんなに!?と言うほどのお給料を下さってる。
いつも私が手伝いに来るとぶっきらぼうな態度に変わるから私嫌われてるのかななんてことを思いながらリビングを片付けていると学校帰りの貴一さんがやってきた。
キ「おつかれ〜」
『お疲れ様です!』
キ「なんか食べれるものあったりする?」
『今日はおひたしと肉じゃが作ってあります。お鍋にポトフがあるので食べて下さいね』
キ「うわ、俺ポトフ食べたかっ、」
「キイチおかえり」
何故かピシッと固まった貴一さんとその後ろで怖い顔してる富永さん、そしていつものように私と絶対に視線が交わらない佐藤さんが居た。
キ「...ただいまっす」
「邪魔した?仲良さげだったけど。」
キ「いえ、全く、仲良くないデス...」
その言葉がグサッと胸に刺さる。私は貴一さんと仲良く出来てると思ってたのに...
「おい、Aが傷付いてんだろ言葉考えろ」
キ「え、仲良い!ごめん!その、変な勘違いされると思って!ね?」
『良かった...嫌われてるかと思いました...』
キ「違うほんとにごめんね?」
貴一さんが伸ばした手は私に触れる前にピタリと止まる。富永さんの手が貴一さんの肩を掴んでるようだ。
キ「...やらなきゃいけない事があるので失礼します」
驚きの速さで出ていった貴一さんを目で追うと、富永さんが私を見つめてることに気が付いた。射抜くような鋭い視線。なにか私怒られるようなことしたかな...?
「キイチの事好きなの?」
『...はい?』
「キイチの事好きなんか聞いてんだけど」
『優しい先輩だと思ってますけど...?』
「ふぅん、俺もポトフ」
『はい、入れますね!』
とりあえず今機嫌を損なわすのは良くない。慌ててお椀にポトフをよそってリビングに向かった。
カ「お前ビビられてるよ?笑」
「ちっ、うっせぇ...」
カ「好きな人と上手く喋れない魔王って笑」
「だからうるせぇって!」
富永さん好きな人居るんだ...
失恋してから気付く恋心に1人涙を流した。
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むう - めちゃくちゃ大好きです!これからも応援してます! (2022年5月7日 22時) (レス) @page37 id: 0b4c79d36c (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - りあさん» ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします! (2020年12月11日 17時) (レス) id: e3e12464ab (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - モーニングルーティンの小説とても好きです。これからも更新楽しみにしています。 (2020年12月8日 16時) (レス) id: 1311488687 (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - かりんとうさん» 具体的なシチュエーションなどはございますか。あれば助かります。 (2020年11月3日 15時) (レス) id: e3e12464ab (このIDを非表示/違反報告)
かりんとう(プロフ) - 初めまして、良ければワタナベマホ君の小説を書いて欲しいです!! (2020年10月30日 10時) (レス) id: 4f5e255211 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴあ | 作成日時:2020年3月11日 21時