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これ、飲んで。と薬を差し出してくる彼女。
「あ、ありがとう……」
おずおずとそれを受け取る。
…なんだか、Aちゃんの空気が、変だ。昨日とはだいぶ違う。
その”何か”が、明確にはわからないけど、でも。
…『警戒しろ』、本能が、そう告げていた。
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それを飲んでしばらくすると、頭の痛みも和らいできた。
僕が眠るベッドの脇に坐るAちゃんは、さっきから何かを気にしているように、ソワソワしていた。
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「あ、……昨日はごめんね、僕、潰れちゃったみたいで」
「あ、……ううん、」
「介抱までしてもらっちゃって。ありがとう」
わざと明るくそう言っても、Aちゃんはずっと僕の目を見ない。
…そろそろ迷惑になるだろうし、帰ろう。
Aちゃんの様子は少し気がかりだったけど、とにかく今は、ここを出たい気分だった。
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「あのさ、僕そろそろお暇するね、大学もあるし、」
「……、」
そう言うや否や、そそくさとベッドを出て、近くにあったカバンを掴んだ。
慌ただしく部屋のドアを開け、玄関に急ぐ。
…さっきから感じる、謎の違和感。気持ち悪い。
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「あ、じゃあ!また!ありがとうね、お邪魔しました!」
なんて、Aちゃんの返事も聞かず、僕は玄関のドアを開けた。
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いや。
開けようとした。のに。
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ガチャ、ガチャガチャ、
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ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ
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「なんで……っ?!なんであかないの!、?」
開くはずの扉が、開かない。何度押しても、引いても。開かない。
なんで、なんで、なんでだ。
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「ダメです、ジミンさん、」
背後で聞こえたそんな声に、背筋が凍った。
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uni(プロフ) - 於音さん» 於音さんこんばんは!コメントありがとうございます!お返事遅れて申し訳ありません( ; ; )とても嬉しい感想についニマニマしてしまいましたヽ(*´∀`)ノ誰?も読んでくださったのですね…!感激です。今後も楽しんで頂けるように頑張ります!ありがとうございました (2020年6月13日 20時) (レス) id: c4de3d4ae9 (このIDを非表示/違反報告)
於音 - 本当に鳥肌しか立たなかったです!こういったミステリーが本当に好きで、楽しく読ませていただきました!!誰?もまた深くて、興奮しました!これからも頑張ってください! (2020年6月5日 19時) (レス) id: c6e35f7269 (このIDを非表示/違反報告)
uni(プロフ) - 塩飴さん» 塩飴さん、こんばんは。はじめまして!素敵なコメントありがとうございます!気に入っていただけたようでよかったです!私の作品に出会っていただき、本当にありがとうございます! (2020年5月30日 22時) (レス) id: 6aca3b67d4 (このIDを非表示/違反報告)
uni(プロフ) - もゆさん» もゆさんこんばんは。コメントありがとうございます!ええ、本当ですか( ;∀;)!ヤンデレの沼にようこそです!!笑 今後ももゆさんに喜んでいただけるような作品を作っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします! (2020年5月30日 22時) (レス) id: 6aca3b67d4 (このIDを非表示/違反報告)
塩飴 - すごい、、、すごすぎる。こんな結末になるなんて誰も想像しなかったですわ。やばい、、天才です。ありがとうございました。 (2020年5月30日 12時) (レス) id: a6b86ec691 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:uni x他1人 | 作成日時:2020年1月26日 18時