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『歪んだ愛がうんだ、悲劇の殺人事件。これがその、全貌である_』



最後、そんな締めくくりで、その記事は終わっていた。











この記事の中のふたりは、絶望に駆られて心中した若者という形で、今後も世間に残り続ける。








けど実際はどうだろうか？






少なくとも、パクジミンは、いや、もしかしたら女も。





『幸せ』だったのかもしれない。









そんなの、本人たちしかわからない。





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｢……はぁ、｣



その記事を読み終え、新聞をまた奥にしまう。






…






なかなかすごい事件だったな、なんて。我ながら思う。




これが、この事件の真相。









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｢……ははは、｣





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ここまで読んだあなたは気付いた？




この事件は、僕の研究の一環に過ぎなかったってこと。



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心理学を専攻してた僕は、教授の講義で習った、ストックホルム症候群に興味を持った。



動機はただそれだけ。




実験したいな、なんて思った。だって見てみたいだろ？ほんとにそうなるのか。






だから適当に捕まえた女、キム Aと、同じ学部のパクジミンを被験者にした。



女の方なんか、1回寝ただけですぐ僕におちちゃうんだもん。本当に被験者にするには簡単の女だった。





これを知ったあなたは、僕をクズだと思う？それとも、犯罪者だと思う？







まぁ僕も必死だった。浪人して入った大学。親からの期待もすごかったからさ。結果残さないとって。



僕が血反吐はいて入った大学に余裕で合格したジミンが、今思うと嫌いだったのかもしれない。




幼稚すぎたかな？まぁどうでもいいけど。









僕の家の名前を使えば、いとも簡単にAを刑務所から出せた。



だって困るだろ。Aが家にいないと、ジミンが来た時、僕の研究が台無しになるんだから。









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あ、そうそう。







僕がそのふたりの第一発見者。はじめて二人を見た時、本当に感動した。鳥肌が立った。泣きそうになった。






自分の思った通りの結果が出た。本当にストックホルム症候群を立証できた。


僕の手で。証明できた。









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｢……はぁ、まぁ、悪いことしたなぁ、2人にも。








けど、5年も経てば時効だよね。｣









僕は、ううーん、と思い切り伸びをした。









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あぁ、楽しい。





人生。

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