誰？.2

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ジンさんの後について入ろうとした私の前に、どーんと立ち塞がってきたSP。


それを、｢彼女は僕の知り合いだから、｣なんて一言でどかしてしまったジンさん。




…本当に何者なんだろうか。





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ひとまずここまで、ジンさんのおかげで、難なく来れたわけだけど。



…さっきからずっと無言のジンさんを、チラ、と見る。





ずっと無表情だったみたいだけど、私の視線に気づいた瞬間、にっこり笑って、何？と聞いてきた。








『……や、えっと。ジンさんって、すごい人だったんだなぁって、』




｢…



別に、うちの父親が都知事ってだけ。うちの大学で知らないのAちゃんくらいじゃない？｣



『……と、都知事、』








さら、と言ってのけるジンさん。その驚きの事実に慄く。





…ただ、私から目を逸らしたジンさんの表情が陰ったのは、私の見間違いだろうか。






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『……ていうか、テヒョンくんもここに住んでるって、前から知ってたんですか？』



｢いや？それは最近知った。彼もいいとこのお坊ちゃんみたいだね｣



『……そうなんですね、』




そうこうしてる間に、目的地の階へと着いた。





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少しだけ、ほんのちょっと。…いや、かなり緊張している私を見兼ねたのか。



トン、と後ろから背中を押され、その勢いのままエレベーターの外へ。







｢早く行きな。このことはユンギには黙っとくから｣




『……


ありがとうございます、』




そんなジンさんに頭を下げ、私はテヒョンくんのいるであろう部屋へと走った。






…ジンさん、案外いい人なのかもしれない。









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｢後悔しないようにね｣

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