誰？.2

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一部始終の彼の話を聞いて、さぁ、っと血の気が引いていくのがわかる。



間違ってる。こんなの。…普通ではない。目的を達成するために、そんなことまでするなんて。




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｢ねぇ、Aちゃんは、わかってくれるよね。


僕のこと、受け入れてくれたもんね、あの時。｣







そんなテヒョンくんの手が、求めるように、私の方に伸びてくる。





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けど。




『……やっ、！』




無常にも、私はそれを振り払っていた。









この時のテヒョンくんの傷付いた顔は、きっと、いつまでも忘れられない。



けど、ごめん。…ごめんなさい。







『……ごめん、


それは、…理解できないよ、』






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私は彼を、初めて拒否した。





その場から逃げるように、テヒョンくんに背を向け走り出す。





うしろから、私を呼ぶ声がする。







｢……Aちゃん、置いてかないで、！！｣






その声に、胸がきゅう、と痛くなる。



けど私の足は、罪悪感で痛むその感情に反して、走り続けた。






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『……はぁっ、……はっ、』




一体、どれくらい走ったのだろうか。



振り返っても、そこにはテヒョンくんはいない。…そりゃあ、当然か。





今になって、胸がズキズキしてくる。まるで、テヒョンくんの全てを、否定したみたいで。







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ごめんね、テヒョンくん。


受け止めきれなくて、ごめんなさい。

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