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キックオフのホイッスルが鳴る。
素早い動きで相手を抜く一之瀬。
染岡にパスをしたが相手の技により攻撃は拒まれた。
輝莉「んー？？」
今度は豪炎寺が攻め込む。
しかし、これもまた拒まれた。
染岡は必殺技を使いゴールを狙う。
キーパーの技により、これも拒まれた。
瞳子「簡単にはあの守備、崩せないわね…」
輝莉「だねぇ…」
今度は相手側が攻める。
風丸は塔子の挑発も相まって簡単に抜かれた。
輝莉「ん？んー？」
秋「どうしたの、星野さん？」
輝莉「んー、なんかねぇ…」
瞳子「(何かに気づき始めているのかしら？輝莉は思考より直感で動くタイプ……彼女なりに外から見ていて感じることがあるのかもしれないわね)」
壁山がディフェンスラインに立つが、相手のオフェンス技により転んでしまった。
輝莉「あー、うんうん……マネージャー」
春奈「はい！」
輝莉「アイシングの用意しといて」
春奈「え、でも、誰も怪我してませんよ？」
輝莉「直ぐに分かるさ」
その後、シュートが放たれるが円堂は見事セーブした。
そのアツさは心にグッとくるものがあった。
染岡がその後シュートを狙うが、塔子の技により転んでしまう。
立ち上がるその瞬間、顔を顰めたのを瞳子も輝莉は見逃さなかった。
瞳子「……！(まさか……)」
輝莉「んー、やっぱりそうかー」
瞳子「(輝莉はとっくに気づいていたのね…相変わらず観察眼が鋭い…)」
染岡の3度目のシュートがコースがズレ、前半戦が終わった。
瞳子「星野さん、準備して」
輝莉「え、あ、うん」
瞳子「皆、聞いて。後半の作戦を伝えるわ。
染岡君、風丸君、壁山君、あなた達はベンチに下がって」
「「えぇ！？」」
瞳子「空いたスペースは残りのメンバーでカバーして。
それと、星野さん。後半から行くわよ」
輝莉「アップしてきまーす」
その後、各々不満を零すが、瞳子は「勝つための作戦と言い立ち去る」
鬼道が反論をするも、後半が始まるといい遮られた。
輝莉「(姉さんもきっと気づいていたんだよね。
相変わらずの口下手だなぁ……誰かさんみたい)」
輝莉は懐かしむように空を見ながら1人の少女を思い出していた。
それは昔、たった数日過ごしたが心から分かち合える親友の存在であった。
輝莉「アンタはいったいどこで何をしてんだかねぇ…」
その声は青空に溶けて言った。
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