06:味方 ページ8
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「ターカちゃん、一緒に移動教室行こぉ?」
甘ったるい声がクラスに響き、香水の匂いがする髪が揺れた。
「ん、あぁ行くか」
「えへへ、タカちゃんの腕もーらい」
ぎゅっと彼の腕を抱きしめて密着する姫治さん。
隆はこんな甘え上手?な子が好きなのだろうか。どちらかと言うと私は彼女とは反対のタイプだったからなぁ…
自分から関わるなとか言ってたくせに、彼らの姿が目に映るといつもこんなことを考えてしまう。
これからは移動教室も、一人で行くしかないんだよね……
静かに立ち上がると、クラスメイトに話しかけられた。
「雅火ちゃん、今日は一緒に行こーよ」
「あ、雅火さんも一緒?嬉しー、俺美人好きだから」
「アンタはちょっと黙ってて」
最初に話しかけてくれた子は、去年も同じクラスで仲が良かった子だ。
一人になった私を気にかけてくれたのだろうか。
『…こんなこと聞くのはおかしいかもしれないんだけど、私って嫌われやすかったりするのかな…』
心臓がドキドキと煩い。どんな返事が返ってくるのか分からなくて、少し怖くて下を向いた。
だけど返ってきたのはあっけらかんとした明るい声。
「なんで?私雅火ちゃん好きだよ??」
「あ、あれだろ桃香の件だろ」
「あーモモちゃんね。あの子ずっと三ツ谷くんのこと好きだったんでしょ?でもやってることくだらないよねー人の彼氏奪って上から目線って」
初めてだった。姫治さんのことをこんな風に言う人は。
私がクラスメイト達の声に耳を傾けていなかったからかもしれないけど、他にも同じ意見の人はいたのかもしれない。
「いやまぁ、三ツ谷くんにも問題はあるよね。こんな素敵な彼女振ってモモちゃんと付き合うとか。私ならありえない」
「お前女じゃん」
「もし男だったらの話。あんな見え透いたぶりっ子のどこを好きになるのか教えて欲しいくらいだよ」
皆気づいていたんだ、彼女の本当の顔に。
女子なら尚更かもしれない。そういうのに敏感だから。
「だからさ、なんかモモちゃんにされたら遠慮なく相談してね。雅火ちゃん」
にっと笑う彼女の笑顔が眩しくて、心臓がまた煩くなる。
同じクラスの中で、初めてできた味方だった。
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むぎ(プロフ) - shiroさん» アキちゃんを好いてもらえて嬉しいです…!!続編では大活躍するので是非読んでもらえれば…! (2021年10月9日 8時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
shiro - アキちゃんいい子、好き! (2021年10月9日 4時) (レス) @page35 id: 2e61a566e8 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - ゆで卵?さん» すみません!!ご迷惑をお掛けしてしまいました…!!続編、投稿したので是非読んでくださると嬉しいです! (2021年10月8日 21時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - マナさん» アキちゃんは味方ですよ!悪女との会話…の件はネタバレになってしまいますので… (2021年10月8日 21時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - むぎさん» アキちゃんは最後まで主人公の味方で悪女との会話を隠れて盗み聞きしてしまう……のは書きますか? (2021年10月8日 20時) (レス) id: 27a7acbc37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぎ | 作成日時:2021年9月25日 0時