23：二人きり ページ25
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「良かった、顔が腫れずに済んで」
『うん、ありがと……』
五限目終了のチャイムが鳴り響いて、生徒達の声が少しずつ聞こえてくる。
保健室の先生はどこにいるんだろう。いつ戻ってくるのかな。
…戻ってきて欲しいようで、もうちょっと二人きりがいい。
変な気分。
やがて生徒達の声は聞こえなくなり、また静寂が戻ってきた。
「あー…六限目始まるのか……どーすっかな」
大した怪我じゃないし、私も教室に戻って着替えなきゃ。
『戻ろ、教室』
あんまり長く居続けると隆に何言っちゃうか分かんない。
二人きりなんて尚更。
氷袋を手に取り、立ち上がろうすると今度は隆が私を優しく引っ張った。
「…もう少し、一緒にいてくれねぇかな」
久しぶりに見た、隆のそんな顔。
いつもクールな隆が甘えん坊になるなんて滅多にない。
『いやでも…六限目も始まるし、保健室の先生だって戻ってくるかもだから』
でもここは引けない。なんとしてでも戻らなきゃ。
「あぁ、先生は出張らしい。そこの紙に書いてあった。それに六限目は担任の授業だろ？分かってくれる」
いや、分かってくれるとかそういう問題じゃないんだよ……
というか、保健室の先生出張なの？？なんで空いてるの保健室。
「俺と、サボってくれ。A」
いよいよ分からない。私自身のこともだけど、私を連れて行きたいとか言ってたところから理解が追いついてない。
そこまでして一緒に居たいって、何か理由でもあるのだろうか。
私は一緒に居たいよ？だって好きだもん。
姫治さんのいない今、本音がダダ漏れになっちゃてる自分が凄く怖い。
私の知らない私が出てきてる感じがする。
『元カノに、そういうこと言っちゃダメって分かってる？』
それでも、私は耐えなきゃいけない。
これ以上遅れてしまったら、姫治さんに何されるか分からなくなる。
「頼む、今だけは……Aと二人がいいんだ」
隆は引かなかった。
あぁ、これは私の負けかもしれない。
二人がいい。なんて、好きな人にそんなこと言われて断れる人が居るのだろうか。
否、いない。
『振り回されてばっかりだね、私って』
もうどうにでもなれ。
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むぎ(プロフ) - shiroさん» アキちゃんを好いてもらえて嬉しいです…！！続編では大活躍するので是非読んでもらえれば…！ (2021年10月9日 8時) (
レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
shiro - アキちゃんいい子、好き！ (2021年10月9日 4時) (レス) @page35 id: 2e61a566e8 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - ゆで卵?さん» すみません！！ご迷惑をお掛けしてしまいました…！！続編、投稿したので是非読んでくださると嬉しいです！ (2021年10月8日 21時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - マナさん» アキちゃんは味方ですよ！悪女との会話…の件はネタバレになってしまいますので… (2021年10月8日 21時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - むぎさん» アキちゃんは最後まで主人公の味方で悪女との会話を隠れて盗み聞きしてしまう……のは書きますか？ (2021年10月8日 20時) (レス) id: 27a7acbc37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むぎ
| 作成日時：2021年9月25日 0時
