恋じゃない…… * Kento.N

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your side









風磨がなかなか帰ってこないから

途中でみんなといるのが気持ち悪くなってきた。

だからトイレを口実に逃げてきた。









次も授業はあるから一応本当にトイレに行って、

あまり長いのも嫌だから割と早めに出た。









その時、ふとあげた視線の先に中島くんを発見した。









ただただ普通に友達と話しているその姿は

脚が長いと言われているだけあって絵になる。









なんで、私なんかにつきまとうんだろう……









そう、ぼーっと眺めていると

遠くからでもわかるほど私を見つけたっ！って顔をした。









やばいっ！









そう思って話を切り上げて近づいてくる中島くんから

明らかに逃げるよう廊下を走る。









いつもなら短いトイレから教室までの廊下が

やけに長く感じるのはなぜ？







そんなに長くない距離なのに

こんなに息が上がってるのはなぜ？









そう感じながらも無我夢中で彼から逃げて、

気づけば教室にまでたどり着いていた。









『っはぁ……はぁ……………………』









なんとかギリギリ逃げ切った私は

勢いよく開けた扉を、勢いよく閉めたら

謎の安堵感がこみ上げてきてその場にへたり込んだ。









疲れた………………









そう思って息を切らしていると









《A！どうしたっ!?》









いつの間にか戻ってきていた風磨が一番最初に、

その後を追いかけるように他のみんなも私のところへ。









『…大丈夫、ちょっと追いかけられただけ………笑』









まだ呼吸が整わないから途切れ途切れだけど

また、風磨を心配させたくなくて気丈に振る舞う。









《でもっ………………!!》









ほら、また今にも泣き出しそう。









『大丈夫だから、ね？笑』









そう、笑顔で風磨に言えば

途端に安心した顔をする。









大丈夫だよ、

風磨は私が守るから。









なのに、なんで………………？









なんであなたは邪魔をするの…………………………









勢いよく閉めたはずの扉が、

ゆっくりと目の前で開いて、

目の前に長すぎる脚が目に嫌というほど入る。









『中島くん………………』









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