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「Aちゃん先にシャワー浴びていいよ」
ご飯を食べ終えて洗い物を済ませると、優しい言葉をかけられる。
『お先にどうぞ。松倉さんの方がお仕事でお疲れだと思いますし、私はまだ物件絞りたいので』
「そう？じゃあ遠慮なく」
あれから松倉さんはメガネを外したまま。
どうも私はメガネを外した松倉さん相手だと緊張してしまうみたい。
見慣れないからかな、きっと。
そんなことを考えている間に、思っていたよりも疲れていたのか睡魔が襲ってくる。
「Aちゃん」
『ん……あれ、寝ちゃってた』
目を開けると、ソファーの前にしゃがんで目を合わせてくる松倉さんがいた。
「そりゃあもうぐっすりね」
"可愛い寝顔だったよ"と笑う。
「どう？物件探し」
『やっぱり、サイト見てるだけじゃイマイチわからないです』
「即日入居可能っていっても、こっちが納得出来る物件じゃないとね。後悔したくないもんな」
『そうなんですよね。明日と明後日で内見して決めてきます』
「そっか、俺明日も仕事なんだよね。もしAちゃんが俺よりあとから家を出るなら鍵貸すけど、どうする？」
『お借りしてもいいですか？帰りの時間は未定なので、お店寄りますね』
「うん。明後日は俺休みだから、鍵のこと気にしないでね」
『わかりました。ありがとうございます』
「どういたしまして！疲れてそうだったから、さっき湯船にお湯貯めたんだよね。冷めないうちにお風呂入っておいで」
『わざわざありがとうございます』
「ん。俺先に寝てるね。寝るの本当にソファーでいいの？」
『はい。約束なので』
「わかった。じゃあ、おやすみ」
お風呂に入って、綺麗にお風呂掃除をして出る。
髪をかわかして寝る準備を終えて、松倉さんが用意してくれたブランケットをかけて寝ようとソファーに寝転がる。
さっきまで人と一緒にいた空間にひとり。
……なんだろう、この感じ。
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作者名：愛生
| 作成日時：2022年9月25日 18時
