2話 ページ6
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「……様、サクヤ様! 起きてください!」
「ん……あと5分だけ……」
別に用事も無いんだし、もう少し寝かせてくれよ。それに僕、朝弱いんだよ。
「あと五分だけじゃないですよ、待ち合わせの時間まであと20分ですよ!」
待ち合わせ……?
「……」
忘れていたことを思い出して、慌てて布団からでる。急いで指定された制服に着替えて、鏡で寝癖を整える。男子の制服は、白いシャツに黄土色のセーター、そして、全体が黒くフードがグレーのあまり長くないローブだ。
実は今日から世界一の魔術学校といわれる【カルラ学園】に通うのだ。
僕がここに通う事になった理由は3つある
1、学園には魔人がいるという噂があるので、通いながら調べてほしい。という学園長の依頼。
2、個人的に行きたかったから。
3、目的があるから
サクヤは、今まで一度も学校に行ったことがないので、内心楽しみで仕方がなかった。
「サクヤ様、はい、忘れ物」
と言って渡されたものは赤い雫型のピアスだった。だぶん魔力を少し封印する魔法具なのだろう。
「ありがと、ルナ」
ルナと呼ばれた少女は「エヘヘ」と照れながら、肩までのカールがかったピンクの髪を右手の人差し指でクルクルと弄った。彼女は黒猫の人獣である。よって、ルナの頭と腰からは艶やかな猫耳と細い尻尾が生えている。
嬉しいのか、その尻尾を左右にくねくねとさせていた。
ピアス左耳にを着けると、靴を履いた。
「じゃあ、いってらっしゃい!」
「いってきます」
と言ってサクヤは外に出た。外はまだ朝なのか、人通りが少ない。今は4月といっても朝はとても冷える。ちらほらと見える通行人は皆、厚めのマントを羽織っていた。サクヤはそんな商店街の角を曲がり、人がいない路地へと入っていった。
(ここなら、魔法を使ってもいいかな)
ここから集合場所の学園まで、走っても30分はかかるので【上級魔法 転移】を使おうか考える。
エリート学園である、【カルラ学園】では普通のことだが、15歳のサクヤが街中で上級魔法を使うのは目立つので近くの壁の影に隠れて使った。
「【転移】」
目を開けると、先程まであった景色とは違う光景が目にはいる。どうやら【カルラ学園】についたようだ。さすが世界一の魔術学校といわれるほどあって、門は10メートルを越えている。
暫くその門を見ていると、突然後ろから声がかけられた。
「もしかして君が新入生?」
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シャル♪黒猫大好き人間(プロフ) - ミントさん» ありがとうございます!!私もこの表紙結構気に入ってるんです(笑)更新がんばりますのでこれからもよろしくお願いします(*`・ω-)ノ (2020年2月28日 23時) (レス) id: 6e2bf13c08 (このIDを非表示/違反報告)
ミント - 表紙の蝶とか彼岸花とか凄く好きです!物語も、とても面白いです!更新頑張って下さい! (2020年2月28日 21時) (レス) id: d935f18f17 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな♪(プロフ) - 月の芋さん» ひ、久しぶりのコメントっ……!(T-T)ありがとうございます!更新は遅い方ですが、これからもよろしくお願いします!(^∇^) (2019年8月29日 22時) (レス) id: 0214723abe (このIDを非表示/違反報告)
月の芋 - あぁ!!なんて面白い作品なんだぁぁ!あ、すみません(._. 面白くて好きです!応援してます。続き楽しみにしてます!(`・∀・´ (2019年8月29日 20時) (レス) id: de5541b525 (このIDを非表示/違反報告)
如月唯奈(プロフ) - 今日から新しい時代が始まりました!今時代(?)こそ良いことが起こりますように!そして、この小説で一位をとってみたいなんて、贅沢を言ってみる(笑)これからもよろしくお願いします! (2019年5月1日 3時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シャル(如月唯奈) | 作成日時:2018年10月24日 1時