検索窓
今日:23 hit、昨日:11 hit、合計:144,853 hit

7 ページ40

『思い、出してくれた…?』



顔を上げると、そこには困ったように笑う、姉ちゃん。

オトンと姉ちゃんが居なくなった日の光景が、オカンが俺を殴る光景が目の前に広がる。



『あの後、東京に引っ越したんだけどね。

就職した所がこの辺りで、戻ってきたの。』



俺が黙っていても尚、彼女は話し続ける。



『のんちゃんが居て凄く驚いた。

また会えて嬉しいよ。』



…俺を、捨てたようなもんやのに?

オトンと姉ちゃんが出ていったのは仕方の無いことやったのかもしれへん。
せやけど、俺にとっては捨てられたようなもんや。

せやからさ、姉ちゃん。ごめんな。



望「えーっと…すんません、どちら様ですか?」



『…え?嘘、のんちゃん、覚えているでしょう?

この私の隣にいる男の子、あなたよ?

あなたは、私の弟よ。忘れちゃった?』



彼女は写真の中の、小さな俺を指さして言う。
数ヵ月後に何が起こるのか知らない、写真の中の純粋無垢な俺は、姉ちゃんと手を繋ぎ笑っていた。


覚えとるよ、姉ちゃん。
たくさん遊んでくれたことも、俺に嫌がらせをしてくる奴を懲らしめてくれたことも。

そして…俺を、置いていったことも。
全部、覚えとるよ。



望「まぁ、確かに姉は居ったけど。人違いじゃないで

すかね。この写真の男の子、俺とちゃうし。」



せやから、これが最初で最後の。
そして、最大の“復讐”や。



望「もう話は終わりですか?ほんなら、ケーキ食べま

しょ。今日は俺のリクエストなんやけど、めっちゃ美

味いねん。」



女性の顔が歪んでいく。
目には大粒の涙。


姉ちゃんさ、俺を捨てたやんか。
やったら、俺にも姉ちゃんを捨てる権利はあるやろ?
これでお互い様やね。


俺がケーキを取りに行こうと立ち上がると、女性は大声を出した。



『待って!』



はぁ…。
ほんま、諦め悪いなぁ。

8→←6



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (173 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
415人がお気に入り
設定タグ:ジャニーズWEST , 殺し屋
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

百瀬 花楓(プロフ) - コメントありがとうございます!そう言っていただけるなんて…嬉しい限りです!今後とも、よろしくお願い致します(*^^*) (2020年6月28日 8時) (レス) id: 2a826d73c9 (このIDを非表示/違反報告)
のん - このお話ほんとに大好きです!これからも更新頑張ってください! (2020年6月28日 0時) (レス) id: 4b0daf74e6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:百瀬 花楓 | 作成日時:2020年5月11日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。