まえあしの恋する彼女達

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ブスっとしたまま部屋に入ったオレに構わず、楽しかったなって上機嫌のA。


「ニカちゃんてやっぱり可愛いなあ。TVのイメージのまんまやったわ。」


「･･･可愛い？どこが？」


･･･オレの方が100倍可愛いだろっ！


「えー？全部？彼女の話しでデレてる所なんかもうたまらんやん。」


あんな可愛い弟欲しいーってテンション上がってるし。まあ結構飲んでたしね。


そのままピトってオレにくっついてきた。


「裕太運転で飲めへんのにいっぱい飲んでごめんな？」


得意の上目遣い。


こういう所っ！こういうとこ、好きだし弱いんだよな。。。


「いいけど、ニカとはもう会って欲しくないかな。」


本音が出るとええー？って露骨に嫌な顔してる。


「せっかく裕太と共通の知り合いが出来たと思ったのにー。」


「Aっちいんじゃん。」


「Aっちはもちろんやけど。あとは宮っちでしょ？ニカちゃんもお友達なりたいっ！」


オレの束縛は何気にいつも受け入れてるのに、珍しく我を通してきてるからよっぽどニカを気に入ったみたいでそれもオレは気に入らないんだけど。


「ねねっ？Aっちと北山さんって激しくお似合いじゃない？」


酔ってるから会話の脈略がない。

よし、このままニカの事はスルーしよっ。


「確かにねえ。ミツが好きそうな感じだよね。」


「･･･私あんな女の子になりたかってんな。」


本気で言ってるみたい。


まあ、確かに真逆のタイプではあるよね。


「でもオレは断然Aなんだけど？」


って、チュってキスしたらそっか。ならいっかって。


「でも、北山さんて本気でカッコよかったからびびったねっ？」


は？


「いや、裕太と会って以来裕太以上の人おらんって思ってたけど、まだまだかっこいい人おってんなってちょっと感動しちゃったー。」


オレの顔が曇ってんのも気付かず地雷踏みまくってる。


酔ってるからの本音か？


許せねえ。


怒りに任せてAを押し倒す。


へ？って顔してるAに、


「ミツはダメ。Aっちの彼氏でしょ？」


「･･･当たりまえやん。」


「ってかかっこいいとか思うのもダメなんだけど。」


あちゃって、顔したけど既に手遅れなんだけど？


「いや、かっこいいってあれやん？TVの中の人見てるみたいな感想やん？」


焦って言ってるけど、どんな言い訳もオレには虚しいだけだし？

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